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《今日は部活があるのか?》
「あっ、お兄ちゃんだ…」
《ううん。今日は休みだよ?新体操の大会はまだ先だから余裕あるんだ。
でも今日はちょっと寄るところがあるから少し遅くなる。先にご飯食べてて?》
《…わかった。用事が終わったら寄り道せずに帰って来いよ。何なら迎えに行く。》
《大丈夫だよ(笑)お兄ちゃんはゆっくりして?大学に専念したらいいから。》
「ふうっ!…ほんと心配性なんだから。もう高校生だってのに…ハハッ(笑)
さあっ、康介君の家!…」
兄、浩司からのやや執拗なlineを手慣れた対応で処理し校外へ出る瑞希。
「わあ…あつっ…気温差凄いな…めっちゃ暑くなってる…
えっと…駅から徒歩五分のところって、言ってたな…橋の向かいの脇に立つマンション…か…
…あ!あれかな?他には立ってないし…たぶんここだよね?」
訪問先の主に教えられた情報を元に、時折汗を拭いながら歩く。
思わしき物件を見つけるとやや慎重にロビーへ入っていく。
「えっと…五階の…506号室…だよね…」
ピッ!ブーンッ… ブーン…ガシャン… ズーッ…
「エレベーター使う住居って…凄いな。しかも五階って…たかっ(笑)最上階じゃん。康介君凄いな…」
エレベーターに乗り込み、上へ向かって鈍く動き始める。
瑞希は物珍しそうに狭い中を見渡していた。
ピンッ… ブーン…
ブワッ!…
「わっ!凄い風…ちょ……さすが最上階(笑)…
えっと…角部屋って言ってたから…あそこだ…わあっ!(笑)風(笑)…
さっきは後悔したけどやっぱタイツ穿いてきて良かった(笑)」
エレベーターが開くなり自分に向かって風が吹きつけ思わず笑ってしまう瑞希。
捲れ上がるスカートには目もくれず、両手で髪を抑えて目への風を防ぎながら端を目指す…
「ふうっ!…ここは風が入ってこないんだ?凄かったな(笑)」
ポーン!…
瑞希は人差し指でインターホンのボタンを押し込むようにプッシュした。
目が覚めるような大きい音が室内では鳴り響いていた…
【書かせていただきました。
よろしくお願いします。】
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