「ったく…。あいつの過保護ぶりにも困ったもんだぜ…。」
ぽいっと、スマホをベッドに投げる。
ちょうど瑞希と浩司がlineで連絡を取り合った直後の事。
「別に妹がどこに寄り道して帰ろうがいいじゃねぇの…。
ちゃんと帰ってくんだから…。」
その内容は、寄り道をして帰るという妹を心配する兄の過度な心配が表示されていた。
「ま、だからこうやって、その妹ちゃんを呼ぶ楽しみに…なるわけだけど…。」
にやりと笑みを浮かべて壁にかかった時計に目をやると、瑞希との約束の時間を迎えようとしていた。
互いに高校時代から仲も良く、当時はまだ中学生の妹瑞希も一緒に遊ぶことも多かった。
元々活発な性格、快活な瑞希の性格もあってか、女だということを意識せず遊ぶことも多かったが、ここ数年で急に大人びた発育を見せる瑞希に、少し悪ふざけを想い始める。
何より、溺愛する妹を知らないところで楽しむことに異様な興奮を感じていた。
「別にやばいことはしないって…。
ちょっと二人で遊ぶだけじゃん…?別にいいだろ、浩司…。」
そしてタイミングを見計らったようにインターホンが鳴る。
カメラ越しに確認すれば見知った少女が少し緊張気味に立っている姿が見えると
「来た来た…。」
制服姿の瑞希はより一層年下感を感じさせ、ちゃんと学校帰りに立ち寄ったことを思わせる。
二人で遊ぶことはあったが、家に呼んだのは今日が初めて。
そこまで大それた計画を練ったわけではないが、さすがに興奮と同時にこちらも緊張が少なからず。
「いらっしゃい…、道大丈夫だった?」
そんな様子を上手くごまかしながら出迎えて、部屋へと通す。
そこそこ広く新しめの1K。
築浅物件を選んだこともあり、まだ実家に住む瑞希にとっては新鮮な雰囲気があるかもしれない。
とはいえ、モノを多く持つ性格では無い為、部屋にはベッドやテレビ、デスクとPC。
衣類はウォークインクローゼットと最低限の家具で整っていた。
「口うるさい兄貴は大丈夫だったかい…?
何か飲み物を入れよう…暑かっただろ?お茶とコーヒー、オレンジジュースならどれがいい…?
適当にベッドにでも座っててよ…。」
少し厭らしくも悪戯心に満ちた時間が始まろうとしていた。
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