亜津紗
「堂島君!
粗チンだなんて、失礼なこと言わないでください。
拓は、私の大好きな彼氏なんですから。」
特権者には無礼な振る舞いはできない…だから肩を抱かれ、胸をまさぐることは我慢していました。
けれど、拓の前で本人をバカにされ、ついつい目を険しくして怒りを向けてしまいます。
とはいえ特権者の命令には従わないといけません。
当り前のように抱き寄せる腕を不快そうに払いながらも、拓に説明をはじめます。
亜津紗
「拓、いい?
悲しいけど、ちゃんと聞いてね。
この人、うちのクラスの転校生で、堂島大吾君。
さっきの陰茎測定で、20cm以上あったの。
…そう、特権者。」
辛くて拓の顔なんて見てられなくて、うつむきながら言葉を続ける私。
でも、拓が息を飲んで喉を鳴らす音は聞こえます。
拓も、その言葉の意味は知っていたようです。
亜津紗
「22.8cmあったの。
…拓のサイズは黙っておきたかったんだけど、萌が話しちゃって。
10cm以上差があることは堂島君も知ってる。」
拓の、嗚咽混じりの呻き声が聞こえます。
つまり、拓も堂島君が強権的な命令を行使できることを知っているのです。
「それで、堂島君が私を気に入ったみたいで。
うん、だから15cm上未満の拓の彼女だから、私に拒否権ないの。
だからゴメン、今日からは一緒に帰れなくなるね。」
「ほんとなら初めては拓としたかったんだけど、拒否したら拓がどんな目にあわされるかわからないから。」
「堂島君は、前の街でも彼女がたくさんいたんだって。
だから、今は拓とのセックスは禁止にされたけど、きっとセックスのテクニックもない私なんてすぐに飽きるから。
だからその時までにオチンチン鍛えておいてね。
待ってて…お願い……」
なるべく淡々と説明しようとしますが、当分は彼氏としての拓と会えないと思うと、言葉に詰まってしまいます。
拓も気持ちは同じなのでしょう、両手の拳を握りしめ、ワナワナと震えているのがわかります。
でも拓は身長で言えば160台半ば。体格も細身で、堂島君とは勝負にならないことは明らかです。
もし拓がこのまま堂島君に挑んだら、もし返り討ちにされて一方的にボコボコになっても、私も断ろうと思いました。
そしてもし罪に問われても、何年でもずっと待っている…そう覚悟を決めたのです。
「え…拓……?」
なのに拓の選んだのは、男のプライドをかなぐり捨てての土下座。
強権で奪い取る気満々の相手に土下座なんて…むしろ相手の嗜虐心を高めるような行為に情けなくなります。
でも私を守ろうとした行為には違いなく、失望しながらも私もまた拓と守ろうとします。
「堂島君、校長にいうのはやめてください。
私、もう拓とは別れますから。
拓のことなんて忘れて、堂島君が満足するために頑張るから、お願いです…」
拓に特権者の権限を使おうと見下ろす堂島君に、ひきつった笑顔を貼り付けて腕に絡みつきます。
そして堂島君の望みどおり、元彼に別れの言葉を突きつけました。
「別れても幼なじみには違いないから、助けてあげる。
でも、もう彼氏じゃないから束縛できないよ。
一番ダメな選択をしたのは拓自身なんだし。
私、これから堂島君の彼女にしてもらうために頑張るから。
さよなら。」
もちろん、堂島君の怒りを静めるためのデタラメ。
デタラメのつもりでした。
でも言葉にしてしまうと、本当に拓の行動がまったく無意味で不様だと思えてくるのでした。
-----
拓也君への重罰は、許してやってくださいw
真正面から潰しにかかるのもキツいかもしれませんが、相手にさえされていないというのも別のキツさがあるでしょうから。
小さくなるor勃たなくなるなら、そちらの方がいいかも…という私のイメージです。
けれど
※元投稿はこちら >>