先生に呼ばれたのでベッドの隣に座る梨乃。
(ここまで近くに呼ばれたの初めてかも…。ちょっと緊張しちゃうな、)
初めての近さにドキドキしながら、鈴木先生の隣に座ると、先生が念を押すように注意してくる。
「?はい、頑張りますね…?」
あまりの念押しに少し目を瞬かせながらこくりと頷くと、鈴木先生はいきなりキスと言い初めて、梨乃は目を丸くしたあと、かああっと顔を赤くして首を横に振った。
「な、ないです!彼氏なんかいたことありません…!」
家庭環境が良くなかった梨乃は同年代から見ると大人びていて中学校の時は高嶺の花過ぎたこともあり、声をかけてくる男の子はいなかった。ブンブンと首を振って、梨乃は鈴木先生が言ったことを反芻する。
(キ…キス?わ、私、鈴木先生にキスを教えての?それも、淑女教育なんだ…。1年生の時に2年生になったら、より高度な淑女教育って言ってたけどこーゆうことなんだね……え、わー…どうしよう?恥ずかしいよう)
先ほど先生の言葉に頷いたこともあり、梨乃は口には出さなかったが、真っ赤な顔と視線が彷徨う表情から、梨乃が考えていることは先生に丸わかりになってしまっていた。
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