先生の言葉に、梨乃は少し周囲を見回してほんのり顔を赤らめる。荷物の移動はロボットがしてくれたので、あまり詳しくは見れていないが、ベッドが一つしかなくなってるということは、二人で一緒に寝ないといけないということ。憧れの大人の鈴木先生と一緒に寝ることに、羞恥心から少し顔を赤らめてしまうが、梨乃はすぐにいつも通りに戻してニコラと笑って頭を下げる。
「はい!ご指導お願いします。」
どんな指導をされるとも知らず、梨乃は無邪気に微笑んだ。
「ではまず課題を終わらせますね!」
寝室とは別にある勉強部屋に向かって梨乃は明日の課題に向かう。明日の授業を思い浮かべながら必要な課題をこなしていく。元々勉強は嫌いじゃなかったけど、片親で貧しかった梨乃は高校も諦めていた。けれど、親に売られるようにこの高校に入り、最初はどんな学校なのか不安で仕方なかったが、鈴木先生のおかげで馴染めるようになり、できなかったはずの勉強ができることにも喜びを覚えていた。
一通り全てを終わらせ、明日の準備も済ませると、先生がいるリビングルームに向かう。
「先生、課題は全部終わりましたー。夕食まで時間まだ時間がありますけど、今日のご指導はどうされますか?」
ドアから顔を覗かせて、新しく始まる指導を不思議そうに思考を巡らせていた。
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