メールの指示とは言っても、女性が一人で男性の欲望渦巻く迷宮のようなアダルトショップに紛れ込んでしまった事…。
初体験とは言っても少しばかりの知識と言うか思い込みのようなものはあった。
淫ら…。文字通り淫らな行いすら横行するような場所であるイメージすらあった。
そんな場所で私は、昨日のランジェリーショップ以上の出来事が待ち受けているものだと考えていた。
しかしながら想像を裏切る形で、良識ある男性店員に接客され、想像したような事は一切起こらなかった。
それが私にとって良かったのか悪かったのか…。
安堵を感じながらも、どこかで物足りなさも感じていたのかもしれない。
手には数点の購入した卑猥な玩具を入れた袋を提げ、何かしらの指示を受けたいと望んでいる気持ちが滲み出したように、帰り道の状況を逐一報告しながら自宅へと向かう。
『何か…恥ずかしい指示が…。』
それはもはや不安などではなく、期待や願望みたいなものに変わり始めていたのかもしれない。
メールを何通も送り続け、店の雰囲気に対しての感想や、ノーブラノーパンのまま帰宅する道中の心細さなど…。
報告しても新たな指示を貰うことはできず、心なしか悶々とした気分のまま自宅に辿り着く…。
≪今帰宅しました…。≫
そんなメールに返ってきたメールは、買ってきた玩具の事には一切触れることのないスタンスはそのままに、昨日と同じようにベランダで自慰行為を促す内容…。
「また…ベランダで昨日と同じように…?」
一瞬にして昨日の敵は今日の友ベランダで得た快楽を心と身体が思い出した…。
「まだ今日も…ベランダで動けなくなっちゃうほどに…気持ちよくなっちゃうのかな…。」
今日の指示とメールのやり取りで、満たされていない欲求が私の身体を躊躇うことなくベランダへと運び出す。
カーテンを開け窓を静かに開けると、少し冷たく感じる微風が、そこが無防備な外であることを意識の中に植えつけていく…。
「今日もここで…真下を歩く人を眺めながら…。」
身体の芯が先程から疼いて仕方のない私は、ベランダに出て自慰行為に及ぶことを報告する為にメールを…。
≪今…ベランダに出ました…。部屋の明かりは灯ったまま…ベランダに立つ私を照らし出しています…。
ここで私は…昨日と同じように…真下を歩く男性を見つめながら…オナニーします…。≫
そう送るとベランダの手すりにスマホを置き、昨日と同じようにスカートを腰まで捲り上げ、既に蜜を滴らせる割れ目に指を這わせていく…。
「あっ…凄い…。こんなに濡れちゃってる…。」
ゆっくりと指の腹で潤んだ割れ目を擦りながら、ブラウスのボタンを昨日よりもひとつ多く、4つ外すと右肩からブラウスをズリ落とし、次に左肩からもブラウスをズリ落とし、両腕の肘にブラウスが纏わり付くように肩から乳房の全てを晒しながら乳首を摘まみ頃転がし始める。
≪はぁ…私…ベランダでするオナニーが…気持ちよすぎて…クセになっちゃったかも…。
今日はブラウスを…両肩からズリ落として…おっぱい丸見えにさせて…スカートも腰まで捲り上げて…オナニーしちゃってます…。≫
手すりに置いたスマホでメールを打つと、真下を歩く男性に語り掛けるように口から零れ落ちた言葉…。
「今…私は…貴方を見つめながら…オナニーしてるの…。恥ずかしい…オナニーが…大好きな…イヤらしい女なの…。」
部屋の中には買ってきた玩具が散らばっている。
大きなサイズのリアルすぎるディルド…。激しく動き廻り快楽を与え続けるであろうバイブ…。
乳首に吸いつき左右をチェーンで繋ぎ、両方に小さな鈴がぶら下がるボディークリップ…。
そしてリモコンで操る細長く少し湾曲したローターは、リモコンだけではなくスマホでも操作ができると言われて買ってみた…。
その玩具をどのようにして使うのか…私の拙い知識では計り知れない不安と期待が渦巻いていた…。
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