きた…。
思惑通りと言うべきか、案の定というべきか、真生は例の一冊を手に戻ってくる。
まだその内容が性的なものだという認識はないのだろうか、興味が先行した感じで問いかけてきているのがわかる。
「さすがは真生ちゃん…目の付け所が違うなぁ…。」
真生に寄り添う形でソファに腰を下ろす。
軽く肩を撫でながら、優しく頭を撫でてまずはその発見自体をほめるように声をかける。
「これはね…、女の子が、女性になっていく為に必要なことをまとめている本なんだ。
大人になっていくと、知らないと、できないと恥ずかしいことがいっぱい出てくる。
でも、なかなか教えてくれない。
そんなことをまとめてくれてるとてもいい本なんだ。
真生ちゃんももう中学生。
徐々に大人の階段を登り始める時期だからね…。
こういうことを学んでいっても良い時期なのかもしれないね。
それを誰かに教わった…なんて言わず、「その時が来たら当たり前のようにできる」と、かっこいいよね。
だってほら、これ教えてもらったよ、これできるようになったよ…なんて、
いちいち自慢して回ってたら…ちょっとカッコ悪いじゃない?」
口淫を中心に描かれている一冊。
まだ内容には触れず、まずはこの一冊から学んだことを口外しないよう外堀からそれとなく埋めるように言葉をかける。
卑劣な…、自分の保身を確実にしたうえで、目の前の獲物を確実に味わう捕食者のように。
-佐藤さん…。
貴女の知らないところで、真生ちゃん…女になっていくんですよ…。-
そんなことを考えれば口元が緩んでいた。
【なかなかお返事できずすいませんでした。
まだご覧になられていたらまたよろしくお願いいたします。】
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