世界の至る所に点在する異形の魔物が生息する地域、通称ダンジョン。
それらは人類が生まれる前から存在していた、という者もいれば、神に近い存在によって創り出されたもの、と口にする者など様々。
一見、かなり危険に思えるそのダンジョンだが、魔物の類がそのダンジョンの外へと出てくることはなく、外の世界は平和そのもの。
しかし、噂は独り歩きするもので、ダンジョンの難易度に応じて奥底に眠る財宝の種類も変化し
最高グレードのダンジョンにおいては、国を買えるほどの秘宝…不治の病を癒すほどの霊薬、あるいは天変地異を起こさせるほどの兵器が眠っているとも言われていた。
ダンジョンのグレードは、E級から始まりA級までが一般的なグレードとして位置づけられている。
一般的に、と言われる理由は、A級までは難易度に差はあれど、等はされていることを示しており、
未踏破…、あるいは生還者のいないとされているダンジョンは無条件でS級のグレード認定がされていた。
人里を離れ、何里もの道をひたすらに進み、険しい山奥に広がるうっそうとした大森林の奥にもまた、未知、未開のS級ダンジョンと呼ばれるものが存在していた。
その入り口に一人の少女がやっとの思いでたどり着いたのがつい先ほど。
噂の一人歩きで耳にした、奇跡の霊薬を求めてやってきていたようだった。
(性懲りもなくのこのことやってきたか…。
しかも今度は女…、良いだろう…男なら入り口の罠で即血祭だが、女なら話は別だ…。
久しぶりの雌肉…少しは楽しませてもらうぞ…?)
その様子をどの角度ともつかぬ位置から見つめる、異形の存在。
未踏破のS級ダンジョンを創造したダンジョンマスターなるものだった。
入り口にはすでに甘ったるい香りが漂い、まるでユーナを誘うように風が手前から奥へと流れていく。
外見はただの森林の中の洞窟、しかしまだ明るい日中にもかかわらず、数歩進めば中が見えないほどに洞窟内は暗く、外から様子を伺うことはできそうになかった。
「汝の求めるものは何だ…?
欲しければ、自らの足で進み、自らの手でつかみ取るがいい…。」
脳に直接語り掛けるような男とも女ともつかぬ声。
ユーナにとっては天国か地獄か…、未知の世界への冒険が始まろうとしていた。
【冒頭に乗っただけになるので、リアクションの取りづらい開始で申し訳ありません。
次レスで本格的に仕掛けていこうと思います。
せっかくなので、ダンジョンに臨むきっかけなどを描いていただければと思います。
衣装に関してはいったん大丈夫です。
こちらは異形、いくらでもやりようはありますから…ね。】
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