逃げ出すように駐車場に向かっていた私は、自分の姿がどんな事になっているのかまで気を配れていなかった。
辛うじてダウンの前は閉じていたものの、ダウンの隙間から見える胸元は、サイズが大きいユルユルのキャミソールから豊かな胸の谷間が溢れ、両脚を締めつけるほどのタイトスカートは、慌てて大股で歩いた為に、足のつけ根辺りまで捲れ上がり、ウエスト丈のダウンでは隠す事はできなくなっていた。
「えっ!?」
エスカレーターを上がったところで背後から呼び止められた私は驚いたまま振り返り、目の前でお辞儀をする和博君を見つめます。
「えっ…和博君って…えっと…里志の友達の…?」
急に知り合いに呼び止められて慌ててはいたものの、それを覚られまいと平静を装って対応してみる。
しかし私は慌てていたせいで、服装は乱れ胸元や捲れ上がるスカートの事にも気づいていない。
あくまでも友達のお母さんと言う立場で言葉を交わす…。
「えぇ…そうね…。買い物に来たの…。あれ?里志君…そう言えば学校は?」
平日の昼下がり、息子の友達に会う事などないはずの今、目の前に存在する不思議な感覚に囚われ、さっきまでの秘密の遊びのことは頭から吹き飛んでいたかのように冷静さを取り戻す。
「もしかして…サボったのかな…?」
胸元を覗かせ、捲れ上がるスカートは股下ギリギリであることを忘れたかのように、息子の友人を悪戯っぽい笑みを浮かべて眺めると、その友人の視線が私の胸元や脚にまで舐めるような視線を這わせていることに気づく。
『やだっ…この子…そんなに私を見て…。あっ…!』
その時初めて自分が露出の多い服装であることを思いだした。
慌ててダウンの胸元を閉じ、ズレ上がったスカートを下に引き下げて…。
「変なもの見せちゃったね…ごめんね…。」
おどけたように顔を赤らめながら誤魔化そうと苦笑いを浮かべてみせる。
※元投稿はこちら >>