トーンの低い声で事務所にやって来た環奈。
「よう、環奈!…どうした?学校でなんかあったか?」
分かりきってるのに、敢えてそんな言い方で迎える私。
事務所の面々も同じくらいにしか捉えていない。
昨日何が有ったかなど知る由もなく。
社長室に迎え入れると、事務所の面々には暫くの間、環奈を直接指導するから、社長室には入るなとキツく言い放つ。
あのソファに環奈を座らせると、とりあえず対面に座る私。テーブルにひろげた環奈のスケジュール…に明らかな変化が。
「さて…昨日言った通り、環奈を売り出す事にしたから忙しくなるぞ。」
確かに最近は大した役どころの無かった環奈だが、スケジュールには誰もが聞いた事があるだろう番組の出演や、ドラマのそこそこの役に抜擢されてるのが書き綴られていた。
「環奈に事務所の看板になってもらうからな?…高橋環奈という女優をスターにするからな…」
それは、今までの生活が劇的に変化することを表していた。表も裏も…
「でだ…これだけ忙しくなるために、環奈が頑張ることは…昨夜送ったモノ…読んでるよな?」
今までの話とは明らかに違う思惑の言葉…
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