そっとみほの前から姿を消した…フリをしてさすがに二人の様子を眺める。
当然、存在を明らかにした以上堂々と見つめることは難しいが、上手く障害物等を利用して確認できる立ち位置へ。
二人がわざわざ人通りの少ないところへ行ってくれたことに多少救われる。
少女たちを眺め続ける様子は明らかに不自然だったからだ。
そんなことを想いながら、みほを見ている。
約束を守っているのか、手紙をまだ見ようとはしない。
見てはいけないことをちゃんと理解しているのか、それとも偶然まだ開いていないだけなのかわからないが。
ぼんやりとした時間が続く、表情は少し俯き、眠るしおりを見つめているような姿勢で。
脳内ではどのような想いと葛藤が広がっているのか。
数分程度眺めていると、しおりからそっとコートを拾い上げると、何を思ったのかそれを羽織るみほ。
しおりの大きめのコートの中でもぞもぞと動けば、すっとピンク色の布のようなものが見える。
-まさか…脱いでるのか…。この状況で…?
みほの頭の中までを想像することは難しい…。
しかし、アプローチを経た後の行動…にしては、想像のはるか上…。
少なくとも、いま彼女が感じているのは、恐怖や嫌悪感の類ではないことは明らか。
彼女を取り巻いているのは、未知の感覚への興味…その一点に尽きるかもしれない。-
そして自ら引き抜いたものを足元の紙袋の中へ。
その状況を遅れて心と体で理解した瞬間…押し寄せるものがあったのだろうか、
大きく体を震わせ、口は半開き…惚けたような表情を見せた。
想定外…想像以上…、真実に虚実を織り交ぜたおとぎ話が、ここまでみほに影響するとは…。
その表情に思わず口元がにやける。
そして…ゆっくりとしおりが目を覚ましたのか、少し体を起こすと、驚いたように身体を跳ねさせながらも
喜びの声を挙げて、しおりを抱き寄せたのだった。
【ありがとうございます。
次につながる素敵な流れを、描いてくださっていると思います。
しおりちゃんが後々に飲み込まれる、ずっと必死に守りたいと強く願ってきた親友からの裏切りに近い行為への伏線。
約束を反故にされたやるせない気持ち…からの絶望ルート。
走り気味…だとは感じませんが、如何せん…こちらで書けることがあまりない。
というのが正直なところです。
まだ二人の姿を見れる位置にいること、になってますが、これがお手洗いに消えてしまうと…。
おそらく1レスで描き切れるほど、二人の気持ちも簡単なものではないと思うので…。
こちらでも何か描けると良いのですが。】
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