〈あの人、また…みほだけは!〉
(しおりはみほと背中合わせになるように手を広げてみほから遮ろうとします。肩に手を置かれて、びくっ!と目を瞑り縮こまってしまうのは年齢のせい。
どんなに発育豊かで大人びていても、まだ子供なのです。
「だめだ!何かされる!胸?お尻?…こわい…」
強張って固まるしおりの耳に入るのは意外な一言でした)
〈…え?ターゲットは…あたし?みほをどうにかしちゃいたいんじゃなくて?〉
(それなら話は早い。自分が身を呈すればみほは救われる。みほだけは…)
…ねぇみほ?
「なぁに、しおり…ちゃん…」
…いいよ、しおりって呼んで?もっと近くであたしを呼んでよ?
「だってやっぱりはずかしい…
…えと、し、しおり…」
うん、よし!いい子ね?
あたし、あっちの方見て回ってみるね?
みほはもう少しここにいるでしょ?
「うん、いる!しおりの方も、いいのあったら教えて?」
わかった、じゃあ後でね?
(一時2人は分かれます。しおりは振り返ると小さく自分の頬を両手でぺちん!と叩いて、指定されたカーテンの奥へ、恐る恐る入っていきます。)
…来ました…
『よくきたね?本当に来るとは思わなかったよ?』
(しおりは反射的に胸を腕で隠し、もう片手でスカートの裾を押さえます。カーテンギリギリのところで間合いをとり、何かあったら逃げようと…
ですがおじさんは大人しく、事を荒立てたりいたずろをしてくるような気配は全くありません)
(なに?こうして見ると、この人…全然普通。むしろ優しそうにすら見えてきちゃう…絆されそうになりながらも、睨むように目を向けて言葉を放ちます)
あ、あの!
…あたしがターゲットだって…さっき言いましたよね?
それなら、みほは…みほだけには絶対に手を出さないでください!約束して!
(この時、この約束には穴がある事をしおりは失念し、それが後々自分を壊すきっかけになることを知るよしもありませんでした。
しおりがした約束は、「おじさんからは手を出さない」こと。いわば能動的。
…そう、「みほから見て?いたずらして?とお願いされた上で手を出す」、受動的な意味合いは含まれていなかったのです。
まさかしおりは、今のみほが綱渡りのようにこちらとあちはをユラユラと揺れているとは思いもしていません。
しかもその綱渡りはとても危うく、いまのみほでは一押しされたらそのまま堕ちそうに脆いものだからです。)
『わかった…約束するよ。
だから、もうすこし…こっちにおいで?』
………はい………
(しおりは真剣な眼差しで一歩、また一歩…とおじさんとの距離を詰めていきました)
【どんな話をするんでしょうか?気になりますねぇ…】
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