少女たちは雑貨屋へ。
有名どころを網羅しつつも、店舗独自の商品も破格で取り扱っており、老若男女問わずいろいろな客に愛されるお店。
探す楽しさ、見つける喜び…をコンセプトに掲げたそのお店は、常時少し薄暗い照明となっている。
一部の商品は全年齢対象では無い為、間違って迷い込むことがないようにさらに薄暗く、照明の色もそこだけ少し違う。
-わざわざそんな死角の多いところに入ってくれるなんて…、サービスのつもりかな…?みほちゃん…。
不安で仕方ないね…、しおりちゃん…。でも、みほちゃんが行きたいって言うなら…止められないよね…。-
幸か不幸か、物々しく死角も多い店内。
棚も最低限のラックを使用しているため、要所が隙間だらけ。
上手く立ち位置を考えれば、至近距離にいても気づかれにくい。
現に、直線距離では数メートルも離れていない場所で二人の様子を見ているが、気づいている様子はない。
-みほちゃんの一言一言が…嬉しくてたまらない…そんな感じだね…。
でも、みほちゃんは…そう言う意味ではきっと言ってないんだろう…?もどかしいねぇ…。
辛いねぇ…。-
先ほどのフードコートでの距離間よりもさらに近く、みほたちの会話が聞き取れる位置で複雑な笑みを浮かべるしおりの心情を考える。
時折周囲を警戒していた視線…、明らかに盗撮を警戒しているのだろうが…。
やはり、特にみほに話しかけられているときは散漫…。
この子にとってのトリガーは、欲も悪くも「高坂美穂」という少女なのだろう。
-おやおや…、みほちゃんも少し戸惑ってしまうほど…、時々感情が抑えられなくなっているみたいだね…。
可愛いじゃないか…、その大好きなみほちゃん…、守ってあげるのはもちろん君しかいないもんね…。-
そんな男の心中…、もちろんしおりが察するわけもないのだが。
概ね、男の考えと、しおりの意向は重なる部分が多そうだ。
そろそろ次のアプローチに出るか…。
何度か二人のそばを往復してみるが、やはり気づきようもない。
店内にスタッフを含めた客の数もそんなにない。
みほ寄りに通った時も…しおり寄りに通った時も…、互いが互いに夢中…。
何度目かの二人のそばを通過するとき、みほの身体がふわっとしおりに寄り掛かり、不意を突かれたように栞の身体が揺れた。
-この辺にしておくか…。-
にやりと笑みを浮かべた男が、そのしおりの動きに合わせるように上手く身体を寄せて歩けば、案の定軽く接触してしまう。
驚きで慌てて謝罪の言葉を口にするしおりの身体をそっと支えるように背を撫でながら、コートのポケットに紙切れを落とす。
そしてそのままさっと手を上げて、大丈夫、と合図するようにそのまま離れていく。
-警戒…緩んでるんじゃないかな…?しおりちゃん…。
もっと過敏になってないと…、みほちゃん…取られちゃうよ…いや…撮られちゃうよ…?-
ちょっとした二人の世界に浸ってしまったことへの油断…が、地獄への招待状を受け入れる形になり
みほへの想いの大きさが故に…、その悪魔の指先に気づくことができなかった。
みほへの想いがここまで色濃くなければ…、しおりは、壊れることはなかったかもしれないのに。
そして不意に入ったポケットの中にある紙切れの存在に気づいた、しおりはそのまま取り出して…目にする。
『青いぱんつのしおりちゃんへ。
みほちゃんには知られてはいけないよ…。
内容を読むのに少し時間がかかるから、カウンターへ行ってコートを預かってもらいなさい…。
一緒に入れている500円…これで預かってもらえるから。
青いぱんつ…とてもよく似合っていたよ…しおりちゃん。
あんなに大胆に見せられたんじゃ…さすがに、みほちゃんばかり見てられなくなっちゃった…。
興奮…したかな?
あの場では…君の勝ち…ということにしておいてあげよう。
驚いたよ…、思ったより君は…みほちゃんが、大好き…なんだね。
それも、友達同士…の好き…とはまた違うようにも感じる。
おじさんは…そういうこと、見抜くの得意なんだ…。
頑張って…お姫様を守ってあげなよ…王子様…。
「同じような」目に…、みほちゃんが合ったら、彼女がどうなってしまいそうか…想像できちゃってるんでしょ…?
次のゲームだ…。
さっきの言葉…覚えているいるかい…?
詳しくは会ってから…そう言ったよね…?それが今さ…。
おじさんは真ん中のおもちゃコーナーにいるよ…。
どのコーナーを回るときも、必ずそこを通ること。
そこで、じっくり見せてもらおうか…しおりちゃん青い可愛いぱんつを…。
今度は、前も…後ろもしっかりね…。
みほちゃんを守るためにも…、
「みほちゃんへの想いを知られないため」にも…、
頑張ってね。
あと、みほちゃんを守る気持ちが決まったら…、スカート丈を5㎝…上げて、みほちゃんのところへ戻っておいで。』
アプローチの相手がさっきの男であること。
みほへの想いが見透かされている事が、しおりに伝わった瞬間である。
しおりの行動がどう変化するかはまだまだ未知。
しかし、この具体的且つ卑劣な言葉に対しても、受け入れる姿勢を見せれば、しおりの気持ちに嘘はなく。
みほへの気持ちは…、見方によっては知られたくはない…後ろめたい気持ちでもある。
-大丈夫さ…。
きっと、君にとっても都合の良いシーンに、立ち会わせてあげるから…。-
意味深な笑みを浮かべた男が、踵を返し、カウンタースタッフの見える位置でしおりを待った。
【こんにちは。
見づらいかもしれないと思い、少し書き方を変えました。
描写を心情とそれ以外に分けた感じです。
ちゃんと分かれたかどうかは、自信ありません。
もはや、しおりちゃんがみほちゃん攻略のアイテム…どころか、
攻略は前提で、より楽しむためのスパイス的な位置になっていくのがとてもいいですね。
イメージされている流れとこちらのイメージがずれていないかの確認です。
1.男との再会を知り絶望、再び始まる羞恥。(しばらくここでの往復)
2.嫌々ながらにも従う中で背徳感…絶望感等から感じ始める疼き。
3.精神状態が不安定なままたまらなくお手洗い。
※これが、肝かなと。男の存在を認識している中で、わざわざ自分からトイレに離れることは考えにくい。となれば、おそらく自分の意志ではなくしばらくトイレにいろ…という流れになりそうですが…。
あるいは、行動していく中で自然な生理現象でやむを得ず…な感じでしょうかね。
しばらくは1が続くと思うので、早々に答えを出す必要もないと思いますが、一応頭の片隅に置いておいてもらえれば。
あ、もし、違う違うってなればご指摘ください。
物足りない…とかも、ぜひ。】
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