今すぐにでもスカートの裾を下ろし、股間部を覆いたい詩織の手をそっと握り制止させる。
無理やり引き下ろそうとすれば下ろせるほど男の手にはさほど力は入っていない。
そんな必要がないことを理解していた、男の意向に背くことが詩織に取ってデメリットの方が多いことを理解していると思ったからだ。
数十分も走らないうちに、風景は詩織の知らないところへと変わっていく。
露出した下半身が、外から覗かれることは角度的にあり得なかったが、見られるかもしれない緊張と興奮が、確実に詩織の理性を奪っていくのは明らかだった。
「大丈夫さ…。
見えないよ…そう言う位置に座席を調整しているしね…。
分かるだろ…?視線が合っても表情が変わらないってことは、向こうには見えていない…そのことが。」
懇願するように求めてくる詩織に添う言葉を返すと
「そろそろいいか…。」
1時間程度走ったか…。
そんな中で男がおもむろに口を開くと、一度車を少し大きめのコンビニの駐車場に入れる。
止めるのは店舗から一番遠い位置。
向きは壁面に向かった前方駐車、助手席側も壁面の完全な死角。
店舗のスタッフからすれば完全に客ではない人間が乗ったことがわかるような位置に車を停車させると、
「さ、これをつけてくれるかな…?」
男が取り出したのは大きめのアイマスク。
大人用のかなり大きめのアイマスクは遮光性もかなり高く、上下は額から鼻先やや上まで、左右はこめかみまでを完全に多い、詩織の視界を完全に遮る。
天気も良く、フロントガラスから差し込む陽光に眩しさすら感じていたにも関わらず、それを着用すれば一気に暗闇が包み込んだ。
「それとこれ…。
君に渡しておこう…、ある程度公平性を持たせないとね…。」
男はポケットに仕込んだカッターナイフの存在を知らない。
それどころか、詩織の唯一といっても過言ではない拠り所であるカッターナイフを差し置いて驚きの行動に出る。
カチン…。
何かの金属音がこすれる音…。
そして、ひんやりとした感触が首元に感じさせる。
「動かないで…。」
そう、金属的な冷たさ。
微かにちくりとする感覚が、透き通った詩織の首筋に当てがわれる感覚。
「これを君に渡しておこう。
本当の恐怖を感じれば、これで自分の身を守るといい…。」
すっとそのひんやりとした感覚が、首元から離れると再びカチンと金属を聞こえたかと思うと、それが詩織のポケットの中にしまわれる。
偶然にもそのポケットには護身用に持っていたカッターナイフが…。
その存在に気づくと男は口元を緩めるが、何かを言うわけでもなくそのままわざわざ男から護身用のナイフを与えられる形になった。
「さぁ…そろそろ出発しようか…。
目的地まであと少しだよ…?」
そう告げると、男は覆いかぶさるように身体を動かし、助手席の扉側に手を伸ばす。
その瞬間に強張る詩織の身体…、ふっと笑みを浮かべながらも手を出すわけではなく、動いたのは詩織の腰掛けるシートだった。
ゆっくりと背もたれが倒れ、捲られたままのスカート、股間を露にしながら仰向けに。
視界が奪われた中で、股間を晒し詩織。
思考の追いつかない中で、続けざまに今度は助手席のパワーウインドウがゆっくりと降りる音がする。
どれくらい開いたのかもわからないほど、上下するパワーウインドウ。
立て続けに起こる環境の変化で詩織の心を翻弄しながら、車は改めて動き始めようというのか、
バックする際の音が鳴り始める。
ゆっくりと身体に感じる慣性…、車が動き始めるのを感じると同時に、男の指先があらわになった詩織の割目…薄く生え始めた詩織の陰毛を指先で弄ぶように動き始める。
速度が上がっていくに合わせて車内に入り込んでくる風も同様に緊張し、汗ばむ額を冷ややかに撫でまわす。
状況…状態…直接的な刺激…、あらゆる角度から責め立ててくる男の行動。
殺意…抵抗…逃走の意識…、あわよくばとあらゆる思考を巡らせていたかもしれない詩織の脳裏に、
全てが無駄であることを合流後の数十分で思い知らせるように、再び車は速度を上げていく。
ちらりと見れば、スマホにメッセージ通知。
美穂だろう。
思ったより早く返事が来ていたことに笑みをこぼすと、簡単なメッセージだけを送る。
「おはよう。
別に怒っちゃいないさ…。
どっちも欲しい…それは別に構わない、おじさんはね…。
でも本当にそれでいいのかは…君が決めることだ、美穂…。
今日、お昼ごろから時間あるかい…?
あるなら少し、おじさんを気持ちよくさせてくれないか…?」
あくまで美穂が男に快感を与えるために顔を合わせる、という表現で。
【結局それ以降で返事ができずすいませんでした。
私も時間が許せるときは返すようにしていますが、良い意味で1回のお返事のとても時間がかかるので、立て続けに返すのはなかなか難しかったりします。
そこはご承知おき頂けると、ありがたいですね。
妊娠についての見解、ご返答、ありがとうございます。
共有いただけたことで少しイメージ展開も固まりました。
もしかしたら、イメージと違う流れに行くかもしれませんが、察し頂けてシンクロできると…幸いです。
そうでなくても、そうでないなりに話は紡ぐ予定ですが、後々、あ、このことかなと思っていただけるといいですね。
辛く切ないJC編…その後のJK。
そう考えると、現状でいろいろ詰め込み過ぎるのも良くないのでしょうか…。
さすがに内容が濃すぎますね…。
今回の一件が済めば、何かしらの形で3人は、あるいは男と二人は疎遠になる流れを作る方がいいかもしれませんね。
それはまた考えようと思います。
行き先に関してですが、正直そこまで特殊なことを考えてはいません。
ただ、描きたいことが多いので目的地にたどり着く描写まで行きついていないだけ、と考えていただければと思います。
レスとレスであまり時間の進行がない、あるいは遅く感じるかもしれません。
もしまどろっこしく感じる様であればまた仰っていただけると幸いです。
調整していきますので。】
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