あられもない姿を惜しげもなく晒し、果てるみほ。
失神したのか…糸が切れたように少しくったりとしたか思うと、少し間をおいてゆっくりと顔を起こす。
先ほどまでの快感に震え、縋るように快感を貪っていた様子が消え、落ち着いた視線をこちらに向けるみほ。
「クロ…ミホ…?」
明らかにみほの身体で初めましてを口にするみほ。
確かにその様子は、男のよく知る幼い少女のそれではなかった。
二重人格…、なのか。
少なくとも、初めまして…と言ってるのだから、別の人格だと考える方が自然だろうか。
徐に、先ほど自ら脱ぎ捨てた下着を拾い上げると、じっとりと濡れた部分を見せつけるようにその可愛らしい舌先で舐め上げる。
魅入られるような感覚を覚えながらも、幸か不幸かスマートフォンを介したビデオ通話だったことで、そこまで大きく動揺することもなかった。
挑発的な言葉…の中に見える怪訝な眼差し…、怒りに似た感情さえも含んでみる。
そして、その視線に近い物を男は知っている…。
しおりちゃん…か。
そう、確かあの時のしおりもこんな目をしていた気がする。
最愛の女の子を守る為に、何をすればいいのかわからない…ただ、何とかして守りたい。
まるで、猛獣の前で震えながら我が子を守ろうと立ちはだかり小動物のような…しおりの眼差しを思い起こさせた。
しかし、決定的な違いはあった。
それは余裕…、あの時のしおりには全くの余裕がなかった。
クロミホ…と自称する少女の言葉に耳を傾けながら…、男は考えていた。
少女が口にする、「おじさん…みほに何したいの?」この奥にある感情を。
概ね、しおりと同様にみほ自身の防衛本能の一端を担っていることは理解できた。
ただ、引っかかるのは…。
それが少し挑発的であるところ…、とはいえ、答えに近い物が続くミホの口から出る。
どうやら、ミホにはミホの理想的な成長…もとい、性長…があるらしい。
そして、やはりそこにしおりも関わっての二人での、ということだろうか…。
色々な思考を巡らせながら、男はゆっくりと口を開いた。
「君はどう思う…。
こうして私に、何がしたいかを聞いてきた君自身は…。
君が思い描くものが、みほちゃんにとっての理想だと…言い切れるのかい…?」
雰囲気の変わるミホに圧倒されていれば…、なおかつ、せっかく手に入れられそうな玩具を大事にしたいなら、このような神経を逆なでするような言葉がでてくることはないだろう。
そんなリスクを背負ってでも、男は確認をしたことがあった。
それはみほとミホの力関係だ…。
具体的な変化はわからなかったが、ミホの言う通りにみほに鍵をかけて渡さない…ということが実際に可能なら、ミホの言葉に従う…まで行かなくともある程度の言葉を選んで話す必要はあったかもしれない。
しかし、そうでないとしたら…?
現に、今この瞬間まで現れなかった事実…、それにも理由があるはずだ。
ミホの懸念が一番色濃くあったとするなら間違いなく、多目的トイレでの一件のはず。
それでも出てきたのは今だった…、であれば、そんなにミホはみほを自由にできないんじゃないか…。
そう考えたのだ。
「現に、さっきまでのみほを見て君は、「これもありかなぁ」と思ったわけだ。
てことは、そんなみほを君は知らなかったんだろ…?
君の考える枠の中に収めて…、みほは満足できるのかい…?」
挑発に返す挑発。
まるで、余計な邪魔をするな…と、今度はこちらから丁寧に凄んでいくかの様。
「何がしたいのか…?君はそう言ったね。
その答えだ、何でもしたい。
私がやりたいのは、二人がお互いを理由に壊れていくこと。
少女としての理性、価値観、常識を都合よく塗り替え、快楽、羞恥、変態的な行為で埋め尽くし壊していく。
ぐちゃぐちゃにね…。
君がどこまでみほの感覚とリンクしているのかは知らないが、しおりに抱く疑念は拭いきれていない。
そして、信じたい気持ちや好意、愛情を念頭に置いたうえでもこの子は、しおりより私を優先したんだ。
そんな様子を見てしまえば、しおりはどうなる…?
まぁ控えめに見ても普通じゃいられないだろうね…。
壊れるだろう…、壊れたみほをみたしおりが壊れる…。
そんな様子を見れば、みほははっと我に返る瞬間もあるかもしれない…。
かえらないかもしれないけどね…?
でももし…、壊れたしおりが…、求めていないと言い張る男から与えられる快楽で悦んでしまったら…?
そんな様子を目の当りにしたらどうだろう…?
結局、「私が与える情報、光景が全て彼女たちの真実になる」わけだ…。
私はあらゆる手段を用いて、みほ、しおりを壊す。
犯すんじゃない…壊すんだ…。
君はまるでみほの保護者のように立ち振る舞っているようだが…関係ない。
最終的には、みほは、君でも、しおりでもなく、私を選ぶさ…。
だから、余計な邪魔は…しないでくれよ…?
大丈夫…きっと君も楽しめるさ…。
壊れた雌穴の中身…なんだから…。
分かったら、くだらない挑発で凄むのは止めにして…、「やっと表に出ることを許してくれた」みほに感謝して、自分の意志でおなにーでも楽しんでたらどうだい…?
私が興味を持っているのは、みほだ、しおりだ…君じゃない。
じゃあね…。
くれぐれも、みほによろしく…。」
ブツン…。
言うだけを言い、通話を落とす。
みほの中身がどう這いずり回ろうと、知ったことではない。
使えるなら使う、邪魔するなら排除する。
男の中では、もう取り返しのつかないところの手前まで来ている自覚はあった。
大した艶やかさも感じないまま、何十年も着てきた。
今更失うものなどない。
そこへ天が垂らした蜘蛛の糸…、どこで切れようが、切れて死のうが関係ない。
登れるところまで登り…、貪ってやるだけ…。
【遅くなり申し訳ありません。
まとまった時間がなかなか取れず、何がしたい、と問われ、ちょっと考えていたもので。
時間がかかってしまいました。
結論、男がクロミホの顔色をうかがうスタンスはとらない方向で行こうと思いました。
大凡は描写で描かせていただきましたので、ある程度は伝わるかと思います。
みほとしおり、互いが互いの防波堤、最終防衛ラインとして存在していたはずなのに、結果として互いが互いの足を引きあうような、泥沼…。
結局、幼い少女の小さな想いなど、大人が与える強引で、身勝手に捻じ込まれる快楽の前には水泡。
それをあたかも、互いが互いを裏切ったかのような演出を織り交ぜて、ぐちゃぐちゃにしていく。
そんな流れが理想的です。
何がきっかけか…、そもそもどっちが原因なのか…。
人の所為…互いの所為、にしたくなるような。
何かを避ければこうはならなかったのか…。
それとも、不可避の流れだったのか…。
後付けになるケースも多く、張った伏線も上手く回収できていませんが。
そんな流れをこの後も描いていけるといいなと。
下着の件…大変失礼いたしました。
もちろん、抵抗があることを必要以上に求めることはありませんので安心してください。
しかし、願望は失礼ながら口にしてしまいましたので、それを前言撤回はしません。
私の欲望の部分を頭の片隅に置いていただきながら…、
貴女自身が壊れていくなら…、もはや理想のその先…。
貴女の中にもいるんじゃないですか…?クロい…部分が。】
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