浴室の扉は割れ扉を採用している。
いつか子供ができたら、抱きかかえたままでも浴室に入れるように…と。
もちろん、そんな願いはとうの昔に潰えてはいたが。
曇った加工を施したアクリル。
それに浴室内の湯気が張り付き、モザイクのように。
しかし、うっすら浮かぶシルエットが…、中にいる人間の存在を意識させる。
当然、裸体…。佳奈の母もまだ顕在だったころから、よくここにいたことがある。
高鳴る鼓動を抑えながら、脱ぎ捨てたばかりの下着を洗濯機の中から漁り、顔に当てながら果てたことも少なくはない。
耳を澄ませば、100を数え始める佳奈の声が聞こえる。
健気な子だ…。
小学校を卒業するころには、親が煩わしくなりそうなもの…、
それを、擦れることもなく、それどころか母が愛した男を受け入れ…笑顔を見せてくれる。
「佳奈…。」
順調に読み上げ進めていた数字のカウントが、止まる。
変わって聞こえ始める喘ぎ…悶え…。
湿度を含んだ空気の粒が、充満する浴室内。
微かな喘ぎも木霊し…脱衣所までしっかり届いている。
「そうだよ…、佳奈…。
もっと、気持ちいい、を身近におきなさい…。
お風呂も…お手洗いも…、一人になる時間は…気持ちいい時間なんだ、と…。
頭にも…心にも、身体にも刻み込もうね…。
そうすれば君の身体は…薬なんて…必要なくなるから…。」
浴室内での動向に耳を澄ませながら、より快感を求めるようにシャワーを使い始めたことを知る。
そして、その刺激に酔いしれ、2度目の絶頂を迎えようかというタイミングで。
「佳奈ちゃん…後でお義父さんも…(愛液が混ざる)湯船に浸かりたいから…栓は抜かないでね…?
あと、シャワーヘッド…最近水漏れしてるみたいだから、(おなにーに)使い終わったシャワーヘッドは一番高い位置にひっかけておいてくれるかい…?
あと、夕飯は出前を頼もうと思うんだけど…。何がいいかなぁ?」
わざとらしく、含みのある言い方をしながら、わざわざはっきりと聞こえるように告げる。
はっとしてそのまますぐ上がってくるだろう…。
そう考えれば、ゆっくりとその場を後にする。
絶頂前の寸止め…。
そんな悶々とした状態で湯上り…。
想像以上に佳奈の身体への、間接的な愛撫、焦らしは順調で。
【ありがとうございます。
後付けみたいで、なんだかすいません。】
※元投稿はこちら >>