追加てす。
アレクが屋敷に辿り着いたのは、太陽が沈み辺りが真っ暗になってからだった。
「ただいま戻りました…何事もありませんでしたか?お身体のほうは?」
アレクを出迎えたサリーナは、思っていた以上に早くアレクが戻ったことに驚きながらも無事な帰宅に安堵した様子で「大丈夫です…」と答えた。
「えっ?サリーナ様が料理を?私のために?」
サリーナから食事の支度が整っていると聞いて、思わず聞き返したアレク…これまでフローレンス家の姫として、また病弱であることから掃除洗濯など家事一切はしたことがないはず…日頃の感謝と今回の我儘の礼だと言うサリーナたが、以前とは違う意味でアレクへの信頼が増したようにアレクには思え、それはアレクにとって好都合でしかない。
(裸を見せあったことも功を奏したみたいだな…これからどんな事をされるのかも知らずに…)
サリーナとともにテーブルについたアレク…「料理」と呼ぶにはあまりにも簡単なものばかりであり、その味も決して美味くはなかったが、1日中、馬車を走らせ腹ペコだったアレクは、サリーナの作った「料理」を「美味しい…」と言って平らげた。
「ごちそうさまでした…とても美味しくいただきました…サリーナ様…本当にありがとうございます…ところでサリーナ様はもうご入浴されましたか?もしまだなら今のうちにお済ませください…ここの後片付けが終わったら私も汗を流しますので…そのあと寝室のほうへ…サリーナ様には沢山のお土産がありますし…それと…色々お教えすることもありますから…」
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