「アレク、こんなことに付き合わせてしまって、申し訳ありません…。アレクがこの屋敷の付き人で本当に良かったわ…。明日は気をつけて、怪我のないよう…。」
顔や胸元に付着した精液を洗い流し、早々に脱衣室に戻って、下着とネグリジェを身につける。
アレクに手を取ってもらい、いつもよりゆっくり長い廊下を歩く。
「はぁ…、はぁ…っ、ごめんなさい…。少し疲れたみたいです…。ゴホッ…、ケホ…っ」
熱が上がってきたわけではなさそうだが、単純に疲れから体調は思わしくなく、時折アレクに支えられて休憩しながらようやく寝室にたどり着いた。
ベッドに横になると、疲労が溜まった身体がマットレスに沈み、癒やされていく。
ベッドの端に腰掛けたアレクを見上げながら、赤ちゃんの種について、あの時思ったことを口にした。
「なんというか、少し不思議な…、キツいような、クセになるような香りでした…。上の空になるような、ぼーっとして、お腹が少し熱くなるというか、初めての経験でした…。なるほど…、女性と男性の種の違いなのかもしれませんね。精液を受け入れる側の私たちは、本能に刻まれているのかも…。」
アレクがつらつらと述べる嘘の言葉、しかしそれらは説得力があり、サリーナは疑うことなく、納得してしまう。
「お母様が…?そんな話、聞いたことがありませんでした…。またお父様たちと一緒に暮らせるようになりますでしょうか…?アレクが負担でなければ、頑張ってみたいと思います。ザーメンミルク…、可愛らしい別名もあるのですね。」
先ほどから疲労で悪化した体調。全身が気怠く、咳き込んだりしており、元気な身体に対する願望はさらに強くなっている。
信頼しているアレクの言葉であり、尊敬する母が実践した…となれば、簡単に騙されてしまった。
「明日から、どうかお願いします…。それと…、その、少し申し上げづらいのですが、明日港町に行った際、下着を数着買い足して欲しいのです…。胸が、その少し窮屈になってきてしまい…。あとはネグリジェと甘味を適当に…。」
明日から毎日精飲することが決まった異常性に気が付かないまま、普段通りの会話を広げ、ゆっくりと夢の世界に引き摺り込まれていった
※元投稿はこちら >>