天気の良いある日、リズベットは庭園内を歩いていた。
毎日出来るだけ、獣人達が働いている先に顔を出すのが目的だ。屋敷に来てから日が浅い者にはコミュニケーションを万全に取り、安心して屋敷で暮らして欲しいからこそ。
そうなると、アルの仕事場によく立ち寄っては簡単な世間話でもすることになる。
「アル、今日もお疲れ様。貴方のおかげで、庭がとっても綺麗になったわ。」
「重い物ばかり持たせて少し悪いわ…。でも、おかげで食糧庫の整理ができたわ。ありがとう。」
足を運んでは、礼を伝える。
主人と奴隷の関係や雇い主と使用人の関係などではなく、自分たちは家族であることを伝えたいから。
リズベットの思いとは裏腹に、アルの視線はドレスの胸元ばかりに向かっていた。
あれから毎晩、小屋に忍び込んではリズベットの下着を汚す日々。
リズベットのドレスの下の、下着を想像してしまい、いきりたつ下腹部をなんとか誤魔化す。
リズベットがしゃがみ込んだ時、チラリと覗いた純白のブラジャーは、4日前ほどにアルが精液を吐き出した物であり、そんなことなど知らずに身につけているリズベットに、さらに興奮を覚える始末で、性欲はどうにも止められない。
「うふふ、それでね、今週末はアルの歓迎会をやろうと思っているの。ほら、怪我の治療中、アルの好物をきいたでしょう?シェフに依頼して、食材も集めて…、きっと楽しいわ。」
性の対象とされていることなど知らないリズベットは、無邪気にもアルに笑いかけつつ、アルとなかなか視線が合わないことには不思議に思っていた。
(なんだかいっつも目が合わないと言うか、視線が少し下というか…。…きっとまだ警戒されちゃってるんだわ。私ももう少し頑張らないと)
アルの精液が染み込み、数日前に鼻が埋められた下着を身に纏いながら、微笑むリズベットだった。
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ある夜中のこと。
シオンは寝室でブツブツと呟いていた。
ダーウェルの頻繁な訪問、アルが身分を隠して自分から語らず、のうのうと屋敷にいること、などなど。
大小あげたらキリがなく、ストレスが溜まるようなことばかりだ。リズベットが心優しく、怒りの感情をなかなか覚えないからこそ、代わりにシオンが苛立ちを秘めることになる。
「ふう…、本当にどいつこもこいつも…、リズベット様に迷惑ばかりかけて…。あんな素晴らしいお方はこの世に2人もいないというのに…。」
ブツブツ独り言を呟きながら、リズベットの使用人である証のメイド服を脱いでいく。
下着を脱ぎ、全裸になると、銀色の美しいウルフヘアと尻尾が月明かりに照らされて、鋭い輝きを放っている。
ゴソゴソ机を漁り、中から取り出したのは、男性器のハリ型…、所謂ディルドで、これはリズベットに無理やり休みを取らされた際、こっそり、隣領地に行って買ってきたものだ。
シオンはスラム街出身であり、幼い頃から身体を売って食事を確保したり、長い間娼館に繋がれていた。
幼い頃から性的な搾取を受けた者は、二極化するとも言われている。
性が嫌いになるか、依存してしまうか…。
シオンは後者の方だった。
リズベット以外の人間は嫌いで、特に男は憎くて、殺してやりたいほどだが…、
その一方で、首輪で繋がれ、無理やり股を開かされていたあの頃を思い出しては股を濡らしてしまう。当時は決して楽しくなんかなかったし、自死を願って反抗さえしたほど。だけど、その一方で、あの快楽を身体が忘れられなかった。
「ぅ…んっ、ぁあっ、はぁ…っ、ぁんっ、クソ…っ、アルのやつめ…っ、ん…っ」
ディルドを当てがい、股に沈めていく。イライラする出来事を塗り替えるように、膣を擦る快楽が電流のように走って脳を支配し、尻尾がフリフリ左右に揺れる。
「はぁっ、はぁ…っ、イく…っ、ん…っ、イっくぅ…っ❤︎」
グチュグチュと水音を立てて、ディルドで膣をかき混ぜながら、ビクンッと跳ねて絶頂を迎える。しかし、これではまだ満足できない。日々の苛立ちは、この程度ではまだ。
しっとりと肌に汗を滲ませ、はぁはぁと息を整えながら、タンスの中から包装された小箱を取り出した。
「あぁ…、リズベット様、申し訳ございません…。シオンをお許しください…。」
小箱から取り出したのは、群青色のスカーフ。
リズベットに仕え始め、一年の記念日にプレゼントされたもの。
身につけるのも勿体なく、大事に保管していたものだったが、一方で誤った使い方もしてしまっていた。
自身の首にスカーフを巻くが、首が締まって息苦しいほどに強く…、そして、ベッドヘッドの脚に結びつけた。
所謂、首絞めオナニーのような形で、大切なスカーフで呼吸を塞ぎ、ディルドを激しく動かす。
「フーッ、フーッ…、リズベット…、様…ぁっ」
妄想するのはリズベットに首輪をつけられ、リードを無理やり引かれながら、夜の庭園を散歩させられること。
尊敬するリズベットに支配されることを願った妄想でもあるが、シオンは自分でも気矛盾にが付いていなかった。
リズベットに支配されることを妄想するのであれば、ディルドはいらなく、手で慰めるだけで良いはず。
シオンはあれだけ男を憎んでいても、身体は男根の快楽を覚えてしまっており、今でも忘れられていない。
リズベットによる支配の妄想は、自分を無理やり納得させるために作り出したものであり、本当に望んでいるのは、人間の男による支配ということなど、気が付きようもなかった…。
「ぁあっ、イ…ぐ…ぅっ、ぅぅっ、ぅうっ❤︎」
アルが来てからというもの、ストレス発散は追いつかず、毎晩のようにシオンの呻き声が寝室に木霊していた。
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