「今宵は近しい者だけを集めたささやかなものてはあるが、我が娘婿の帰還を祝う宴だ…楽しんでくれ…」
長い長方形のテーブルの上座にレイウス、その右手にメイサ、デオドール、グラベルが座り、左手にはサリーナ、アレク…その他レイウスを支える重臣たち…
レイウスの乾杯の音頭で始まった宴たが、テーブルのうえには豪華な食事が並び、大勢の給仕のメイドたちも忙しく働いていた。
(えらく扱いがいいな…)
アレクがそう思うのも当然だった…サリーナの全快祝いのパーティーの場でサリーナが欲しいと言った時、常に冷静なレイウスが顔を真っ赤にし激怒したのたから…
外堀を埋めるために懐柔してメイサやテオドール、サリーナを餌にまでしたグラベル…3人か必死になだめても怒りが収まらなったレイウスをどうにか落ち着かせたのは、生まれて初めてレイウスに逆らってまでアレクを庇ったサリーナだ。
サリーナが間に入ることは予想していてたまのの、あの時だけは「ヤバい」と肝を冷やしたほどだ。
そのレイウスがアレクを婿と呼び、重臣を集めて宴を開いたことも驚きだったが、何よりレイウス本人の機嫌が良い事だった。
これはメイサやメイサを嵌めるために手を組んだリーゼロッテからのアレクに都合のいい報告によるところが大きくはあっただろうが、やはりサリーナがその役目をアレクの期待以上に果たしてくれた結果と思われた。
アレクがプリムローズ家に行き留守の間、サリーナは頻繁にレイウスと食事を摂っていたようで、メイサが不在の間は、ほぼ毎日…その場でサリーナは、幽閉先のことを話したに違いない。
不治の病にかかった自分の運命と父親であるレイウスの苦しい立場を理解し受け入れたサリーナは、幽閉先での生活をありのまま伝えたのだろう…
次第に弱っていく中で、庭の小さな花や夜空の星の煌めきを美しいと感じたなど些細な事から、レイウスやメイサに会えない寂しい気持ち、そしてアレクが自分のためにしてくれたことまで…
人を妬んだり恨んだりする娘でないと分かっていながらもレイウスにとってサリーナの言葉は罪悪感を煽ったのだ。
サリーナがアレクとの結婚を望み、それがサリーナにとって幸せなのだというのであれば、それを許し祝ってやることが、せめてもの罪滅ぼしになると思うのも当然かもしれない。
アレクは宴の席を見渡した…両手以外の重臣たちもアレクに対して思うところはあるだろうが、不平などを口や態度にも出さないのは、デオドールが手を回してくれているようで今のところは心配はない。
心配があるとしたら、それはむしろデオドールだ。
デオドールとは息子の件で味方にはつけたが、所詮は利害関係…自分や息子に不利益なことがあれば牙を剥く可能性は少なくない。
(ヤツの息子はまだ20歳そこそこだったな…今のうちに丸め込んでおくか…メイサを使えば簡単に堕ちるだろう…デオドール同様、優秀らしいからな…それより…)
アレクはグラベルへと目を向けた。
デオドールと酒を酌み交わしながらもチラチラとサリーナに目を向けていることには気づいていた。
(サリーナをスケベな目で見やがって…アイツだけは絶対に許さん…)
グラベルを味方につけるためにサリーナを餌にしたのはアレクだ…サリーナに薬入りの酒を飲ませグラベルに手を出させたた張本人ではあるが、グラベルがサリーナの身体を好き勝手に舐め回した挙げ句、中出しまで…あの時の怒りはいま思い出してもはらわたが煮えくり返るようだ。
(俺のいない間も何度も酒の席を設けみたいだし…2匹目のドジョウを狙いやがって…もう一度、俺が酒の席を設けてサリーナに手を出させるか…そな現場をレイウスに見せたら…クククッ…それでヤツは終わり…)
「………ク?アレク…どうしました?」
あれこれと考えを巡らせていたアレクは、サリーナに話しかけられ我に返った。
「い、いえ…何でもありません…少し感慨に浸っておりました…こんな席に私がいることが今も信じられない気分です…これもみなサリーナ様のおかげですね…あの時、サリーナ様からのあの申し出がなけれぱ…サリーナ様の身にもしものことがあったならば、私は今も庭師の父の手伝いをしていたことでしょう…あの申し出の相手に私を選んでくださったこともですが…何よりサリーナ様がお元気になられたことが私には嬉しいのです…」
アレクは、そっとサリーナの手をとった…よからぬことを考えていたことを誤魔化すように…
(んっ?)
そんな時、アレクは視線を感じ、視線の方へと目を向けると、そこには恨めしそうな目でアレクを見つめるメイサがいた。
顔を赤らめ何かに耐えるように時折目をギュと瞑り唇を噛み締めている…傍目には酒に酔ったかのようにみえるが、メイサはローターの刺激に必死で耐えていたのだ。
(そこまでして俺とやりたいってか…クククッ…そんな恨めしそうな目で…あっ…そうか…メイサはサリーナも自分と同じようにローターの刺激に耐えていると思ってるんだったな…)
アレクはポケットに手を入れるとサリーナのローターの振動を少し強くした…サリーナは「んっ…」と小さな声を漏らし俯き肩を震わせる…メイサの目には、サリーナも刺激に耐えていると見えたはず…
メイサはスイッチが2つあることは知らない…サリーナと同じ刺激が自分にも与えららていると思っていたが、元々サリーナには微弱な振動しか与えておらず、対してメイサにはサリーナよりも強い振動が絶え間なく送り続けられていた。
はじめから我慢した方を選ぶつもりはなく、サリーナと1夜を過ごすつもりでいたのだ。
そうとも知らずにメイサは刺激に耐えていたのだ。
(そろそろ引導を渡してやるか…宴にも飽きてきたことだし…早くサリーナと…)
アレクはメイサのローターの振動をMAXに切り替えた。
「ううっ…!」
これまで何とか刺激に耐えてきたメイサだったがいきなりの強い刺激に声を発してテーブルに突っ伏した。
「メ、メイサっ!?ど、どうした!?」
レイウスが驚いのは当然だった…これまで何事もなかったメイサが突然声を上げ平伏せ肩で息をし顔を真っ赤にしたのだ。
「医者だ!医者を呼べ!メイサ…しっかりしろ!今、休ませてやる!」
宴の会場が騒然となる中、レイウスは医者を呼ぶように叫ぶとメイサを抱き上げた。
「アレク…すまんな…せっかくの宴だったが…」
「いえ…私のことは…それよりもメイサ様を…」
サリーナも心配そうにレイウスを見送り、アレクの腕にすがる…
「大丈夫ですよ…レイウス様がついておられますから…明日にはきっとお元気になられているはず…今はレイウス様にお任せしましょう…サリーナ様…お部屋までお送りします…」
気をやっただけと分かっているアレクの言葉は力強く、サリーナの不安を打ち消すには十分だった…
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