(あぁ…、こんな大勢の前で…、はしたなくも達してしまったわ…。)
ディルドで腰使いを披露し、身を震わせて絶頂してしまったメイサ。
膣から抜かれたディルドにはべったりと愛液が付着していて、常にメイサの前に晒されている。
恥ずかしげにモジモジ身をくねらせながら立ち尽くし、オークション開始の宣言を聞いた。
あれだけ恥を晒し、淫乱な様子を見せつけたメイサだが、恥じらう様は清純無垢を思わせる可憐さ。男たちは身を乗り出して夢中になっていた。
(だ、誰が5ゴールドよ…っ!)
司会を務めるアレクを横目で睨みつける。
メイサは当然娼婦の相場など知らない。
しかし、5ゴールドはいくらなんでも高いことくらいは知っている。それでもなお、庶民の観客たちが値を張る姿は、生々しい獣欲を感じさせられるし、値段をつけられる行為は奴隷や娼婦そのものであり、貴族であるメイサにとっては屈辱的な時間だった。
6、7…10…、
値を更新する大きな声が響くたびに、びくっと身を縮こませ、不安げに客を見つめるメイサ。
誰もが当たり前のように身につけている衣服もなく、全裸のまま晒し者にされ、激しい性欲の餌食になっている。
この場で唯一全裸であり、秘部を隠すこともできず、ただ俯いてやり過ごすしかない。
そうしていると、「200!」という声が響き、会場がどよめいた。
その声の先に恐る恐る視線を向けると、太った嫌悪感のある男性がリーゼロッテの横に座っており、メイサは絶望で立ちくらみさえした。
その後、化粧を直してドレスを再度着せられ、馬車でホテルへと連れて行かれる。
護衛とは名ばかりの監視も付いているので、逃げようにも逃げられない。
窓の外に広がる街中は、活気あふれる商店が多く、リーゼロッテの手腕を感じさせられる。
(リズ…、昔から経営分野得意だったものね…。どうして、こんなことになっちゃったの…。)
長年の付き合いであり、親友だったリーゼロッテとメイサ。しかし、もう今では…。
そう考えているうちに、目的地に着いてしまった。
護衛に連れられるがまま、ホテルの最上階に行き、一室しかない部屋をノックする。
200ゴールドという正気とは思えない金額で競り下ろした人物がメイサを招き入れ、大きな部屋に2人っきりとなった。
護衛は「よく奉仕するように。これはリーゼロッテ様の命令です。」と言い残して消えてしまった。
(は…?今、なんて…。)
貧乏貴族のメイではなく、明らかに公爵夫人であるメイサ・フローレンスを知っている。
心臓の音は跳ね上がり、口から飛び出そうなほど。
顔は青ざめて、視線は泳ぐ。
激しい動揺はビルボーの目にも明らかだった。
秘密…、確かにその通り。
事が露見した場合、ただで済まないのはメイサは勿論、ビルボーも同じ。
「…大人しく従うから…、このことは墓場まで持っていくこと…。よろしくて…?」
メイサもビルボーも命がかかっている中、リーゼロッテだけが主導権を持っている。もはや、メイサには「よく奉仕するように」という親友の命令に従うしかない。
豪奢なドレスを見に纏い、煌びやかなアクセサリーで飾ったまま、その場に膝をつき、ビルボーのズボンに手をかける。
「そういえば、お嬢様のご病気がご快復なさったと伺いましたよ。本当に何よりでございますねえ。」
ベルトに手をかけて外し、チャックに伸ばしていた手が止まる。こんな時に娘の話題を出され、サリーナの笑顔や母親という立場をいやでも思い出させられる。
抗議の一つでも返してやろうかとビルボーを見上げると、イラつくようなニヤついた表情で見下ろしており、まともに取り合うだけ無駄と諦めた。
女を辱めて見下す事が好きな人種なのだ。
メイサは内心軽蔑する一方で、こんな男に奉仕する運命を呪った。
チャックを下ろし、中のイチモツを取り出すと、無洗の蒸れた雄の香りがして、顔を顰めた。
(ぅ…っ、臭いわね…っ。こんなもの舐めさせるんじゃないわよ…。)
「…はむっ、ん…っ、ぁむ…っ、ちゅ…っ、じゅるる…っ」
吐き気を催すような臭いだが、奉仕の経験は豊富であり、すでにガチガチになっている男根を亀頭から咥え込み、まずは舌を這わせて舐め回す。
口を窄めてほお肉で挟み込みながら吸い付き、ゆっくりと根元まで口内に飲み込んでいく。
(…アレクみたいに若くはないし、何度か射精させれば満足でしょう…。さっさと終わらせて、リズと仲直りしないと…。)
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「…ちっ。なんなのよ、あの女は…っ!」
ビルボーとの契約は成立し、目論見は万事うまくいった。
メイサを辱めて惨めにも晒し者にし、踏み台にして商談を成立させた。
しかし、どうにもスッキリとしない。
たかだかまぐわうためだけに200ゴールド。
あんな値がつく女など、知っている限りではメイサ以外にいない。自分では到底無理だ。
オークションによって惨めな思いをしたのは、自分の方だった。
メイサを娼婦に堕とすための値段は、メイサの価値を証明するものでもあった。
見せ物小屋のゴミ箱を人知れず蹴り飛ばしたリーゼロッテは、苛立ちを隠せないままにアレクが待つ馬車へと乗り込んだ。
「…ええ、契約はね。バッチリもバッチリよ。」
煙草を詰めたパイプに口をつけ、煙を吐き出しながら不満げに答える。
メイサで200ゴールド。その娘であるサリーナは、メイサの美貌を受け継ぎ、より美しいとされている。
病に伏しており、露出が極端に少なかったのに対し、知名度の高さが何よりの証拠だ。
(きっと、あの女の娘にさえも私は勝てないのね…。何もかも私の上に立って、バカにして…っ。)
イライラが止まらない。
横に座るアレクの顎を持ち、唇を重ねる。
アレクとは寝たがらテクニックは本物。男娼なんかよりも数段上。
苛立ちを解消するには、あの女の男を寝取って鎮めよう。
「ん…っ、ちゅ…っ。ん…、屋敷に戻ったら少し付き合いなさい。褒美をあげるわ…。」
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一方その頃、フローレンス領にて。
(アレクのやつにメイサ様…、2人がいない絶好の機会だというのに…。)
アレクとメイサがプリムローズ家に行ってからというもの、何度かサリーナを招いて2人っきりで晩餐会を開いているグラベル。
あの日のサリーナの身体を忘れられず、サリーナを酩酊させることを目的としていた。
姫様はあまりにも酒に弱く、簡単に前後不覚になっていた。だから、簡単だと思っていたが…。
「うふふ、それでね…。アレクがその時、私の手を握ってこう仰ってくださったんです…っ!」
頰を赤くし、潤んだ瞳で饒舌に語るサリーナが目の前に座っていた。
ベラベラと…、少なくとも1時間は、サリーナのフィルターがかかったアレクとの惚気話を聞かされ、頭が狂いそうだった。
何度もワインに口をつけ、アルコールは回っているはず。
果実水と間違ったか…と疑ったが、ラベルを見返してもそんなことはないし、明らかに酔った様子の姫君の姿が何よりの証拠。
(おい…、いつになったらあの時みたいに倒れるんだ…!一体なにがどうなってるんだ…。)
あの日はアレクの策略で、薬によるものだとは知らず、サリーナがグラスに口をつけるたびに一喜一憂する王の右手の姿があった。
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