「はい、過去にはそういう教育を受けるはずだったのですが…、すみません、こういったことには本当に疎く…」
聖書を読み合うことも正解だとは思ってはいないが、自分で捻り出した答えがソレで。
アレクが告げる『初夜』に耳を傾ける。
「はい…っ、身も心も…。ん…?えっと、それって…。」
(裸を見せ合う…ってこと?そ、そそ…、そんなの、お父様にしか見せたことがないのに…っ!)
病気がちな幼い頃の入浴は侍女に付き従ってもらっており、そうでなくても異性に裸を見せたことがあるのは父のみ。
みるみるうちに顔が赤くなっており、湯気が出ているのでは、と思うほど恥ずかしさで体温が上昇していく。
先程までウキウキだったサリーナだが、目を伏せ、裸を見せる勇気が出ず、無言だったが…。
「はい…、そうします…。自室で少し考えてみます…。気を遣ってくださり、ありがとうございます。」
アレクの提案を受け入れ、フラフラと一人廊下を歩いて戻った。
アレクは浴室に向かったのだろう。気がつけば自室に帰ってきており、ベッドに横たわることなく、部屋内をぐるぐる歩き回って考える。
(どうしましょう…、どうしましょう…っ!裸を見せ合うなんて、そんな…破廉恥なこと…。しかし、世の夫婦というものは、普通にこのようなことを経て家族を作るものなのですね…。本来であれば寝室で身体を見せ合うとのことですが、アレクの機転で浴場で…となると、もう少し気も楽でしょうか…。恥ずかしいけれど、女の幸せというものを知るためには、我慢しないといけないことなのでしょう…。)
かなりの時間を使い、覚悟を決めたサリーナは脱衣室に立っていた。
(アレクのお召し物が…。まだ待ってくださっているのですね…。うぅ、恥ずかしい…。)
シュル…っ、と羽のように軽いネグリジェを脱ぎ、竹籠に畳んでしまいこむ。
レースをあしらい、宝石の装飾が輝く下着を脱ぎ、全裸へとなる。
(この向こうにアレクが…。家族のような彼だけど、さすがに恥ずかしくて、口から心臓が飛び出そう…。)
ふーっ、ふーっ、と何度も深呼吸し、意を決して扉を開けた。
「あの…、アレク…?お待たせしました…。やはり、どうしても普通の幸せというものを知りたくて、来てしまいました…。お見苦しいものを見せてしまいますが…。」
痩せた手足は病弱で儚い印象を与えるが、尻や胸は果実のように丸く実り、異性の劣情を誘う身体。身じろぐたびに揺れる柔らかい双丘は、桃色で鮮やかな乳輪を持ち、高貴な印象さえ与える。
「あ、あの、その、アレクも裸なのですね…。」
裸を見せることばかり恥ずかしがっていたが、当然アレクも裸であり、股にぶら下がる男性器を見てしまい、思わずぎゅっと目を瞑った
すみません、遅くなってしまいました
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