「これはメイサ様…わざわざお越し頂きありがとうございます…どうぞお入りください…」
部屋を訪ねてきたメイサを丁寧に出迎え招き入れるアレク…その所作は、以前の使用人のものではなく、貴族としての立ち振舞ができており、メイサを部屋まで案内したメイドから見ても何の不自然もない。
子の事を心配し様子を見に来た母親を出迎える息子…まさにそんな感じだった。
だがソレは部屋に入るなりガラリと様子が変わる…いきなりメイサはドレスの裾を捲り上げ媚を売る。
「ふふふっ…そんなに慌てなくとも…我慢の足りない困ったヒトですねぇ…」
メイサはショーツすら履いておらず、来る道中の馬車の中で慣らしてきたとの言葉通り太ももにまで愛液を垂らしていたのだ。
アレクに隷属の指輪の力で散々焦らされ、繰り返し気をやりながらも悪態をついたメイサと同一人物とは思えない変わりようだ。アレクに揶揄されても、その言葉自体がメイサにとっては褒美のようなものでサリーナよりもエルフの血が濃い分、アレクの荒々しい性技にどハマりしたといえた。
臣下や領民に見せる慎ましく清楚な姿は、もうどこにもなく、アレクの足元にしゃがみ込みペニスをしゃぶりつき、尻を向け自らの手で肉を左右に広げペニスを乞う…
「たっぷりと味わってください…ドスケベの欲しがり公爵夫人様…」
…………………………
「ほぉ〜これは美味い…甘みがあって滑らかな舌触り…東方の島国の酒ですか…初めて口にしました…」
メイサがプリムローズ領を後にした晩、アレクはリーゼロッテに食事に初めて誘われた。
養子としてプリムローズ家に入ってひと月…アレクの教育の類はリーゼロッテに指名された執事や外部の人間が担当し、リーゼロッテ本人とは挨拶する程度…自分の事を警戒しているのか、あるいは単に多忙なだけなのか…多角的に事業を展開するリーゼロッテの多忙さは端から見てもわかるが、実のところは分からずにいた。
そんなリーゼロッテからの突然の食事の誘い…会話の言葉ひとつひとつまで慎重に選び腹の内を探ろうとしていたアレクに緊張が走った。
酒が進み酔もあってか、リーゼロッテはメイサの事を口にしたのだ。
「部屋で何をしているの?」それは至極当然の疑問だろう…10日ごとに半日もかけ出掛けてきたにも関わらず、親友であるリーゼロッテとは挨拶もそこそこに娘婿となる男の部屋へ一直線…何時間も籠もったまま…不審に思うのが当たり前だ。
「メイサ様は、大事なサリーナ様の伴侶となる私の事を気にかけてくださっているのです…ここで教えて頂いた事をメイサ様は見てくださり…」何時かは聞かれるだろう問に対し用意した答を口にしようとした時、リーゼロッテの口から出た言葉に凍りついた。
いつもは用心深く慎重に事を進めるアレクだったが、サリーナとの結婚話も計画通り進み気が緩んでいた…リーゼロッテにしても事業を切り盛りしているとはいえ所詮は女と見下していたのだ。
ところがリーゼロッテはアレクの素行どころかサリーナの療養先での事まで調べた口ぶり…流石に湖の公園での行為まで調査が及んではいないようだが、その事を除いても調査結果をレイウスに報告されれば、例えサリーナがどんなに泣きついても結婚話は消え、下手をすれば娘をたぶらかした不埒な男として処分も十分にあり得る。
レイウスにサリーナが欲しいと告げた時にも出なかった冷たい汗が背中を流れ落ちた。
(…………ん?ど、どういうことだ?)
リーゼロッテを甘く見た決定的な落ち度…頭をフル回転させても回避する答が浮かばない状況であったが、アレクの事をレイウスに報告しないと言うだけでなく、リーゼロッテは、そんな男とサリーナが結婚することを面白がる…それだけでなく、メイサへの恨み妬みが口をつく…
敢えて親友であるメイサの悪口を言い、自分の反応を見られているのかともアレクは思ったが、そうではないらしい…酒の酔で出た軽いものではなく女学校時代からの根深いもののようだ。
確かにメイサは空気を読めないところもあるが、それは意識してのものではなくド天然からくるものでメイサには悪気の欠片もなかったのだろう…男っぽく竹を割ったように見えるが、リーゼロッテの根っこには他人への妬みがあるようだ。
(なるほど…こいつは面白い…)
こういった話になると先程まで凍りついた頭に次から次へと悪巧みが浮かぶ…このところのメイサは、完全にアレクに墜ち従順そのもので面白みに欠ける…リーゼロッテを利用すれば…
「リーゼロッテ様には完敗です…そこまで私の事をお調べになっていようとは驚きました。確かに私はリーゼロッテ様がお調べになった通りろくでも無い男です…でも利用価値があるとは思われませんか?メイサ様が遠いフローレンス領から10日に1度顔を出し、私の部屋に何をしに来るのか…お知りになりたくはありませんか?リーゼロッテ様が長年抱いてきたお気持ちを晴らせるお手伝いができるのではないかと…」
ニヤリと笑ったアレクをリーゼロッテは暫く見つめアレクの盃に酒を注いだ。
「事細かくお話しても構いませんが…百聞は一見にしかずです。10日後、またメイサ様はコチラに来るはず…その時に面白いものをお見せしますから…」
少し驚きました。今週末くらいかなと思っていたので…
レスを急かすつもりもありませんが、待ち遠しいのは本音です。
次を読むのが楽しみで仕方なくて…
こんな事を言うと気にされてしまうかもしれませんが、くれぐれも無理だけはしないようにしてくださいね。
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