(し、幸せにだなんて…。アレクと一緒に居られるだけで幸せなのに…っ)
アレクに向けられた笑顔を見て、ぱあぁっと効果音が出そうな程に笑顔を返す。
普通両親の前では恋心などの感情は隠すものだが、二人を尊敬しきっている分、恥ずかしげもなくアレクに好意を向ける
メイサからはレイウスは少し悩んでいると聞いており、今回の養子入れの話によって、婚姻話はほぼ確定で許可されたもの。
レイウスの部屋を後にした二人。
サリーナは鼻歌まじりでご機嫌に歩き、すれ違う従者たちは全て恭しく頭を下げる。
それは勿論横を歩くアレクにも向けられていて、結婚した後の権力を創造させた。
「やりましたねっ、アレクっ!勇気を出してお父様にお話しして良かったですっ!」
部屋に入ると思いっきり抱きしめ合う。
良い意味で両親の言いなりだったサリーナの今回の反抗。
決行は簡単ではなかったが、大きな結果をもたらした。
お互いを讃えあうように舌を絡ませ、そのまま大きなプリンセスベッドに押し倒される。
ドレスの中に手を入れ、ショーツを掴まれると、足をあげて自ら脱がせやすいようにサポートした。
アレクはメイサを屈服させ、サリーナはマナー授業など、ここ最近は二人っきりになることがなく、久々に肌を重ね合わせる。
サリーナはすでに期待していて、ショーツはぐっしょりと濡れていた。
「ぅぅっ、は、はぃ…っ、ぁんっ❤︎」
アレクに声を我慢するように耳元で囁かれ、指を噛んで堪える。
しかし、膣にペニスが入り込むと、どうしても甘い吐息は漏れてしまう。
膣は相変わらずキツく締まっているが、離れにいた頃のような挿れ難さは感じない。それどころかすんなり入るが、キツさは保ったまま。アレクのペニスに慣れた膣に変化していた。
ドレスを着たままのセックスは新鮮で二人は燃え上がった。
サリーナも声を我慢しなければいけない状況や、扉の向こうから時折侍女が通る声や足音が聞こえ、その度に膣が疼いて締まりが強くなった。
着衣が乱れたサリーナは、妙に妖艶で美しく、アレクは何度射精しても物足りないほど。
「ぁっ、ん…っ、アレク…っ❤︎愛しております…っ、すぐに帰ってきてくださいね…っ」
先ほどまで自分の尻穴を犯していたペニスに、舌を這わせて掃除する姫君。
ベッドに腰掛けたアレクの足元で床に跪き、丁寧に愛液や腸液、精液を舌で舐めとる。
どちらが従者かわからない有様だった。
「…まだ食事までは時間がありますね…。今度はこちらに出してください…❤︎」
チラッと時計を見てから、べぇっと大きく口を開いて舌を見せつける。
そして悪戯そうにクスクス笑い、思いっきりペニスにしゃぶりついた。
メイサの舌技を味わっていた分、下手くそなフェラではあるが、ウブ故の一生懸命さがあるうえ、練習していたのか、いつの間にか歯が当たらなくなっていた。
アレクが頭を撫でてると、少しだけ動きを止めて、サリーナは嬉しそうに微笑み返した。
ーーーーーーーーーーーーーーー
コンコン、木扉を叩く音が部屋に響く。
「ふぅ…、入りなさい。」
書類から目を離し、一息吐いて扉の向こうの侍女に言葉をかけた。
「失礼致します、リーゼロッテ様。その、御来客がございまして…」
「…来客の予定はなかったのではなくて?」
「は、はい…。しかし、メイサ・フローレンス様が突然来られまして…、今は応接室でお待ちいただいております…。」
「…は、メイサ…?メイサが何故…?」
突然の訪問どころか、疎遠になっていたメイサ。
女学校を卒業し、それぞれが嫁いだ後、メイサからは何度も手紙は来ていた。
しかし、リーゼロッテは返事を返すどころか、読まずに捨てていた。
リーゼロッテ…、リズは彼女のことが嫌いだった。
何故急に…?そんな想いを抱きながら、早足で応接室へと向かう。
「まあっ、リズッ!久しぶりねっ、元気だったかしら。それにしても貴女変わらないわね、綺麗なまま…。っと、その、まずは突然の訪問、本当に申し訳がないわ…。手紙で残すような話でもなくて…、アポも取らずに来てしまったの。…リズ?」
部屋の中央に置かれたソファに座っていたのは紛れもなくメイサで、リズは固まっていた。
現当主相手に、アポも取らずに訪問など無礼極まりないが、メイサは「大親友の間柄」と認識しており、悪気はない。そして、リズがそのことに怒って黙りこくっているかというと、そうでもなかった。
(…あの頃のメイサ、そのままじゃない…。こ、この女、本当に人間…?「歳を取らない魔女」だなんて、誰かが軽口を叩いていたのを聞いたけれど、本当にそうじゃない…。フローレンス家に嫁いで、その上美貌まで…。なんでも持っているのね…。)
メイサの美貌は変わることなく、あの頃のままだった。
女学校では、生まれた家によってカーストが存在している。没落しかけていたヴァレシュタイン家のメイサは本来弱い立場であるはずだが、当時からあの美貌。良家に嫁ぐことは明らかであり、メイサは図らずともカースト上位に位置していた。
嫁ぎ先もやはり力を持っているフローレンス家であり、その娘もまた大陸に噂が広がるほどの大層な美人だとか。
リズはメイサの全てに嫉妬を覚えていた。
「…どうしたの?…あっ!もしかして、久々に会えて感動しているのかしら?ふふっ、私もよ、リズっ!貴女、手紙を返してくれないから、すごく寂しかったわ。でも、忙しかったのよね、旦那様のことはとても残念だったわ…。それにしても、貴女やっぱり凄いのね。事業の立て直しや為政の手腕、フローレンス領にも『名当主』の噂は広まっているわっ」
立ち尽くすリゼにハグし、再開を喜ぶメイサ。
しかし、リズの耳にはなかなか入らない。
身長も小さく、可愛らしくて整った容姿はお人形のよう。それでいて胸も大きく膨らんでおり、ドレス映えも備わっている。
部屋に飾られている大鏡に視線を移す。
青く輝く銀髪に、猫目のような大きな瞳。メイサとは違って、170センチを超える高身長。スラっと縦に伸びるシルエットは男を魅了し、この歳になっても再婚のお誘いを受けることが多々ある。
自分は、きっと美しい。
そう思えてきた矢先に、目の前にホンモノがやってきたことで、やっぱり自信は失われてしまう。
「え、ええ、本当に忙しくて手紙を返せなかったの。ごめんね、メイサ。でも、こうして会えて嬉しいわ。小耳に挟んだのだけれど、貴女の娘の…、えーっと…、彼女、病気が治ったそうね。おめでとう、私のことのように嬉しいわ。」
女学校時代に何度もメイサに向けた、作り笑いを浮かべ、愛想よく答える。
負の感情に気がつくことなく、屈託のない笑顔を向けてくるメイサが心底嫌いだった。
「そう、そのことなんだけど…。今日はリズに相談があって…」
(お願い?フローレンス公爵夫人様の相談なんか、断れるわけないじゃない…。貴女が意図していなくても、私たちには上下関係があるの。こういうところ、本当に嫌い)
ドス黒い感情を抱きつつも、メイサをソファに座らせた。
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