(おいおいマジかよ…キスで赤ん坊なんて出来るわけねぇだろうが…そんなこと村のガキでも知ってるぜ…)
神の前で口づけを…そんなアレクの言葉に目を見開き驚いたように後ずさったサリーナ…どうやら本気でキスで赤ん坊ができるものだと思っていたようだ。
病気のせいで縁談もなく結婚の儀式などを知らないのは当然かもしれないが、まさかここまで無知とはアレクも思ってはいなかった。
(だが…ここまで無知だと面白いことになりそうだな…)
アレクから説明を受け自分の認識が間違っていたと知りサリーナはアレクに近づき目を閉じた。
(な、なんだこれ…?唇がこんなに柔らかいなんて…)
サリーナと唇を重ねたアレクは驚きのあまり、キスをしながら目を見開いた。
街の娼婦の唇とはまるで違う感触…生まれや育ちの違いがこれほどとは思ってもいなかった。
これまで世話をしてきたが、サリーナの息を感じるほど近づいたことはない…サリーナの吐息はほのかに香るバラの香りのようだ。
(唇でさえこれほどなら…さぞかし身体のほうは…クククッ…楽しみだぜ…)
キスを終えたサリーナは、まるで親になるナイショで初めてイタズラを子供のようにアレクの真意も知らずにクスクスと楽しそうに笑っていた…
「サリーナ樣…これで契を結ぶ儀式は終わりました…これで私たちは夫婦となったわけですが…サリーナ樣は結婚をした初めての夜…初夜に摺るべきことをご存知ですか?」
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