「私が居なかった2日間…何をしておいででしたか?」
街に向かう馬車の中でアレクは尋ねた。
「特に変わったことは…」とサリーナは答えるもどこか様子かおかしい…
「そうですか…ところで…あの店で買った玩具は使ってみましたか?」
何かを感じとったアレクは、話題をアダルトショップで買った玩具の事に振った。
「ええ…」と返事をするものの、やはり何かを隠しているように思えた。
「サリーナ様…私たち二人には秘密はないハズ…私はサリーナ様のことは全て知りたいのです…何があったかを正直に話してはくれませんか?私には言えないことなら仕方ありませんが…」
ワザと悲しそうな顔を見せるとサリーナは慌てた様子で口を開いた。
恥ずかしそうに目を伏せ、いつものオナニーでは気をやれなかった事、寝室だけでなく場所を変えて見た事…そして庭に出た事まで正直に話した。
(クククッ…この間の公園でのアレがよほど刺激的だったようだな…思っていた以上に効果があったって事か…)
アレクはサリーナの話に頷きながら心の中でほくそ笑んだ。
「そうでしたか…では今日も公園ではそういうプレイをしましょう…」
以前のサリーナでは考えられないこと…裸をアレクに見られるだけでも顔を真っ赤に染め恥じらいを見せたサリーナが「見られる」事に興奮を覚えるようになったのだ。
計画していた今夜の事を考え、サリーナかどんな反応を見せるのかが楽しみでならなかった。
祭りの終わった街は、前回訪れた時のような浮ついた雰囲気はなく日常を取り戻していた。
それでも交易の盛んな港街…多くの舟の出入りと共に異国人の姿もあり異国情緒に溢れていた。
祭りで店を閉めていた異国人相手の雑貨屋や食べ物屋は当然の如くサリーナの目を引いた。
前回とは違う街の様子にサリーナのテンションは高まるばかり…夜のお楽しみすら忘れているようにはしゃぐ姿は、ごく普通の年頃の娘そのものだ。
アチコチ歩き回り、少し早めの夕食は、アレクが予め予約した海の見えるレストラン…並べられた新鮮な魚介類に舌鼓を打つサリーナ…空には細い三日月と満天の星空…真っ暗な海の向こうには漁に出ている漁船の漁り火が水平線を彩る…この幸せな時間がいつまでも続けばと思えるものだった。
「サリーナ様…ソロソロ行きましょうか…その前にあの店に少し寄りたいと思います…何が良いものが入っているかもしれませんから…」
アレクはサリーナを伴いアダルトショップへと向かった。
(居る居る…アイツら…ちゃんと来てるじゃねぇか…)
店には前回、公園にまでついてきて覗きをした連中がいた…アレクとサリーナの姿を見つけて顔を見合わせニヤつく…
わざわざ店に顔を出したのは、連中の存在を確認するためだった。
「やはり夜になると人の姿はありませんね…ここは穴場なのかもしれませんね…」
公園につくと二人は湖に向かい歩き出した…相変わらず人の姿はない。
覗きのスポットとして有名な公園を訪れるのは、それを知らないカップルか、「そのため」に来るかしかない…覗かせるために来たアレクだが、何も知らぬ風を装った。
サリーナは何も知らずに何処ウキウキした様子…アレクが既に気づいている茂みの中の人の気配には全くといって気づいてはいない…
「サリーナ様…これから私の言葉を聞いても驚いて振り返ったりしないでください…何事もないふりを…実は…」
もうすぐ湖の辺りという所でアレクはサリーナの耳元に顔を近づけ小声で囁くとサリーナは小さく頷く。
「さっきから後ろの茂みの中に人の気配がします…もしかしたら覗き魔かもしれません…」
サリーナの表情が一瞬で強張る…だがアレクの言いつけを守り振り返ることもなく歩を進める…
「どういたしましょう?せっかくここまで来たのに…私も楽しみにしていましたし…」
アレクは少し考えるふりをし言葉を続けた。
「もちろんサリーナ様次第ですが…ヤツらが覗き魔だとしたら利用してはどうでしょう?前回、サリーナ様は覗き魔がいると想像してすごくドキドキされたはず…もし本当に見られているとしたら…そのドキドキは前回の比ではないと思います…私たちは覗かれていることに気づかないふりをすればいいのです…私たちは覗かれている可哀想な二人…被害者で悪いのはアイツらです…」
確かにアレクの言う通りかもしれない…そうは言っても現実に覗かれているのにと踏ん切りがつかない様子…
「それと…城に戻れば…もう2度とこんなことはできないかもしれません…それをよくお考えになって決めてください…サリーナ様の安全は、アイツらか何人居ようと私が必ず守りますので…」
※元投稿はこちら >>