「ぅ…。」
(そ、それはそうなのだけれど…。あまり大きな声でお話ししないで…。)
バイブがサリーナのどこに擦れて…、といった話を広げ出す店主。
それと比例するように俯く角度がより深くなり、小さく縮こまるサリーナ。
左手でお腹…、子宮のあたりの布地を握りしめ、右手でアレクの手を握り、恥ずかしさからじわりと手汗がにじみ始める。
「ぉ、お尻…っ?ぇ、っと、その…っ」
性格から咄嗟に嘘はつけない。
もじもじ簡潔に答えず、濁す様子から周りの客は察しがついただろうが、代わりにアレクが「尻穴は絶品だ』と答えた。
(ばっ、ばかばかっ、アレクのばかぁっ!!こんなに大勢の前で、そんな…っ。…、普通のことと言いますが、本当に恥ずかしい…。穴があったら入りたい…っ)
信じられない、という目でアレクを見上げるが、アレクは大丈夫、と言わんばかりに微笑むだけ。
周りから少しどよめきが聞こえ、また深く俯き直してしまう。
急に店主から渡されたのは、股割れのバイブ。
太くうねるようなバイブに、小さな玉が連なる細長いバイブがくっついており、どのように使うのかすぐに理解できてしまった。
「…っ。ぅ、っ、…っ、ほ、ほしい…です…?」
店主やアレクに欲しいか聞かれ、顔を真っ赤にしたまま、首を縦に振りながら、そう小さく呟く。先ほどからずっとアレクは当然のような顔をしているため、これが普通なのか、分からなくなってくる。自分は外の常識がない、そう自覚しているからこそでもあり…。
欲しいと答えたのは、なんでもいいから早く注目から逃げたかったのも一つの理由だが、それを使われている自分を想像してしまったからでもあった。
(あれが中に入って、お尻の中で蠢いて…、クリトリスも吸引されて、…、きっと何でイっているのかもわからないほど、ぐちゃぐちゃに溶けてしまうのでしょう…。頭が真っ白になって、アレクに唇を奪われながら、あ、「愛してる」なんて言われちゃったり…っ」
恥ずかしくて俯き、垂れている前髪の隙間から、チラチラ執拗に手の中のバイブを見つめているサリーナの青い瞳。
性の快楽に虜になってしまっている、気品あるサリーナとは真反対な、娼婦と似たような熱のある視線だった。
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