「もうすぐ島に着きますよ…そろそろ船を降りる準備を…お手伝いしますから…」
甲板で風にあたっていた陽子は、船員さんの声に振り返りました。
「ありがとうございます…」
夫の隆史さんに先立たれ自分も視力をなくし途方に暮れていた所に手を差し伸べてくれた義兄の隆二さん…結婚式の時に会ったきりでしたが、今回の事故のことで何から何まで…しかも視力が回復するまでと身寄りのない陽子の面倒を見てくれる恩人…
初めて会った時の印象は、粗雑な感じで隆史さんとは兄弟とは思えないほどの悪いものしかありませんでした。
船を降り見えない目であたりを見渡していると声ヲかけられました…義兄の隆二さんでした。
「お義兄さん…これから何かと迷惑をかけますが…よろしくお願いします…」
頭を下げる陽子に「そんなに気を使わなくていあから…ゆっくりと養生すればいい…」と笑って迎えてくれたのです…
一緒に陽子を迎えに来てくれていた友人と2人で陽子を舐め回すような視線をむけていることには全く気づくこともなく…
ありがとうございます。改めてよろしくお願いします。
※元投稿はこちら >>