「いえ、今日は本当にご迷惑をおかけして、…神林さんにこれ以上、慰めてもらうなん……んっ、」
靄が掛かった意識の為、最初は貴方にキスをされても目をとろんとさせたままで。
抱き締められたまま、舌も視線も絡ませられて逃がさないと言わんばかりの行為に、ぞくりと心を震わせる哉。
「っ、ぁ…ん……っ、や、やめて下さいッ!」
バスローブの隙間から貴方の手が哉の胸を擽る様に柔く触れてきた時、漸く異常事態に気付いて、哉は力の入らない腕で貴方の胸板を押し返す。
「(やっぱり、私この人の、神林さんのこの眼が怖い、、)」
どうしてこんな事をするのか、セクハラだ、と普段の冷静な哉ならそう捲し立てる筈なのに。
貴方の支配的な視線が自分に向けられている事、そもそもキスや愛撫といった恋人同士の行為に哉は心地良さなど感じたことがなかったのに、身体が物足りないと疼いている事、飲み込めない事態が多過ぎて、だけど思考は定まらなくて、戸惑ってしまい。
「あの、やっぱりわたし、違うホテルを探します……ぁっ!」
このままではいけないと考えた哉は、距離を置こうと立ち上がるも、ふらついて貴方の方へ倒れ込んでしまって。
※元投稿はこちら >>