「いえ、何処に付けるのだって駄目、です…。っ、自分でなんか、触りません!」
駄目という部分を強調して、自分は許可していないと言う意思を伝える。
そして貴方の意地悪な問いに、哉は声を荒げ、耳まで紅潮させて否定する。
「(歩き回ったせい…?それとも部屋が暑いのかな…、それか、神林さんが変なことばっかり言うから疲れてるのかな…)」
媚薬のせいとは露知らず、続けてもう一口コーヒーを飲む。
きっと貴方に振り回されている所為で興奮しているのだろうと考え、落ち着かせようと呼吸を整える。
「な、んですかそれ…そんなの、しまってくださ……っやぁん!」
ソファの端っこへ身体を移動させるも、手を伸ばされて震えるローターを柔らかな耳朶から薄らとキスマークの残る首筋へ当てられる。
その瞬間びくんっ!と背筋を跳ねさせる哉は、勢い余って貴方の手を払い除ける。
「(なに、なんで私、こんなに感じちゃってるの…?神林さんと最初にシた時もそうだったし…今までこんな事有り得なかったのに…)」
貴方の手を乱雑に払ってしまった事よりも、自分の身体の敏感さに驚く哉。
まさか自分のコーヒーに媚薬を混ぜられているなんて考えもしない哉は、戸惑いと混乱を隠せずにいて。
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