「流石に泊まるのはちょっと…、それに、折角の神林さんのお休みを邪魔したくありませんし。」
暗に此方の休みを潰されたのだと嫌味を、溜め息混じりに伝えて。
スマホの時間を見て、今日はもう何処にも出掛けられないなと唇を尖らせる。
「っ…こんな目立つところに、あんなにつけられて、隠すのに大変だったんですからね!」
首筋を撫でる貴方の手から守る様に、自身の手をそこに当ててキッと睨み付ける。
「付けるにしても、別の所に…、」とそこまで言って、ハッと口許を抑える。
これではキスマークをつけてもいいと言っている事になるじゃないか、と思って自分の失言に溜息をつく。
「コーヒーだけ、頂きます。でも、泊まりませんから。彼氏彼女の関係でも、泊まらなきゃいけないなんて事、ありませんから。」
最初の夜に貴方が入れてくれた時の、倍の量の媚薬が混ぜられているなんて知る由もない哉は、改めてソファに座り直す。
貴方から受け取ったコーヒーをふーふー冷まして、一口飲む。
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