莉奈に睨まれた権蔵はその視線すら嬉しくて仕方ないような満面の笑みを浮かべながら、
「約束したのは、一番強いやつにしないということでしょう、里緒菜。このくらい、里緒菜なら大丈夫ですよねぇ」と普通に周りの人に聞こえるような声で語りかけるが、もちろん肝心なことは言わないよう気をつけていた。
そして、肩をポンポンと叩くことで、玩具からの刺激を受けやすいようにしながら
「うちの自慢の体育祭が、私のはなしたとおりのものだって里緒菜にわかってもらえてよかったですねぇ。これでもう嘘つき呼ばわりはさせませんよぉ」と少しだけ振動を強くする。
ちょうどそのころ、莉奈はどこいったの?という声が上がりちょっとした騒ぎになるが、里緒菜が、さっきリレーのアンカーやってた人なら調子が悪いから先に帰宅するって言ってたよという趣旨の話をすると、理由がわかって安堵する人と、このあとの打ち上げに主役の一人である莉奈が参加しないことにがっかりする人の両方がいた。
もちろん、和也も後者の方であり、その残念そうな姿を権蔵は優越感を覚えながらチラチラ見てから、いよいよ閉会式が始まる時間になると、周りの人に聞かせるかのように
「では、私たちも約束していた場所に行きましょうかねぇ。私は閉会式や片付けの役割はありませんからねぇ。里緒菜も身体を動かしたくてその格好をしてきてくれたのですから、早く「イキ」たくてしょうがないですよねぇ」と、更に振動を強くしながら、ニタァと笑いながら質問する。
そして、閉会式がやっている途中にも関わらず、権蔵と莉奈は車に乗り込むと学校を後にしたのであった・・・
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