莉奈にピースしてもらっていると誤解してピースを返している和也のことを可笑しくてたまらないといった顔でクックッくっと周りの人たちが引くような笑いを浮かべると権蔵は踵を返して離れていく。
10分後、次の競技である借り物競争の時間が迫ってきていた。
「次は、我が校の体育祭の名物の1つである借り物競争です。借り物競争っていうと簡単なイメージを持たれるかもしれませんが、うちの借り物競争は、簡単なお題から難しいお題まで様々取り揃えておりますので、参加者の皆さんは難しいお題が出ても諦めずに頑張ってくださいね。なお、お題は全部で3問あり、1問クリアすると、次のお題にいき、3問目のお題をクリアしたゴールです。」と参加者や観覧者に対してアナウンスが流れる。
準備をしている莉奈のところに、笑顔を見せながら和也がのこのことやってきて
「次の借り物競争も頑張ってね、莉奈ちゃん。俺はもちろん、OGやOBも遠慮なく頼っていいからね、俺たちいろんな物を持ってきているからさ」と呑気なことを言いながら莉奈に応援の言葉をかける。莉奈がそれに応えると、周りの友人たちが、当然に好奇な視線を投げ掛けながらニヤニヤとしていたのは言うまでもなかった。
その向こうで、もっといやらしい顔でにたぁとしている権蔵の姿に気づいていたのは莉奈だけであったが。
レースが始まると、莉奈を含めた選手たちは一斉に走りだし、一問目のカードを取ると、そこには
「学校にあるもので、自分の相棒と言える道具」と書かれており、一問目は声に出して読み上げる必要があったため、莉奈は声に出す。
それを聞いた友人や和也たちは、テニスラケットを莉奈は選ぶだろうと思い、ラケットを持ち上げてここにあるよと言わんばかりに振るが、莉奈の脳内には、受験勉強に向けて権蔵と日々勉強していることが浮かびあがる。
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