莉奈が田中相手にベタベタしているのを、チラチラ見ながら気にしているような姿を見せた権蔵は目の前にあるオムライスを平らげると、その巨体を揺らしながら立ち上がると、廊下に移動する。
そして、田中をイジめていた男子生徒たちに対し、さっきまでのやりとりをあたかもしらないような素振りで
「おやおやみなさん、こんなところでどうしたのですかぁ??もしかして、メイド喫茶まで来たけど、メイド服の女性の姿を見るのが恥ずかしくなってしまったのですかねぇ。そんな恥ずかしがり屋さんは、美術のイベントであるデッサン会で、指を咥えながらモデルの方を見てるくらいがオススメしますよぉ。とは言え、デッサン会は既に終わってしまっていますがねぇ」と周りの人に聞こえるような大きな声でしゃべる。
明らかに人を小馬鹿にしたようなしゃべり方なのだが、権蔵は普段からこういうしゃべり方をしていることは校内では有名だったため、生徒たちは馬鹿にされているのか、単なる日常会話なのか、判別できないまま、権蔵の圧に押されるかのように、その場を急いで立ち去っていった。
その後ろ姿を見た権蔵は、元の席に戻らずに、一人で呆然としている田中の席に向かうと
「これで彼らもふざけたまねはもうしなくなるでしょうねぇ。ですが、里緒菜は私が預かっている大事な姪なので、里緒菜のことを好きになったりしたら私が許しませんからねぇ」とひそひそ声で釘を指すと
「里緒菜、そろそろ行きますので、お手伝いはそのくらいにしてくださいねぇ」とメイド服の莉奈に話しかける。
そうして、莉奈と共にメイド喫茶を出た権蔵は、引き続き周りの視線に晒されながら校内を探索すると、大きな看板があり、2つのイベントの案内がされていた。
「百発百中!勉強、金銭、仕事、そして恋愛まで、何でも占う占い屋」
「もはや怖さは遊園地レベル!恐怖の教室」
「どちらも随分と大きく出た宣伝ですねぇ、里緒菜ちゃん。いわゆる占いとお化け屋敷だと思いますが、どちらに行ってみたいですかぁ?」と権蔵はどちらでもかまいませんよぉといわんばかりのにやけ顔で質問する
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