咲夢さん、こんばんは。
今日はまた寒いくらいに・・・
酷暑から解放されたのは嬉しいけど、限度ってものがあるでしょうに・・・
(と、勝手なことばかり言ってます(笑))
【本編です】
『大学卒業この方、いや大学入学以来かな…ずっと、自由気ままに暮らしてきました。咲夢さんには話してありますが、これまでにお付き合いをさせて貰った女性もたしかにいます。』
少し頭を上げ、横で頭を下げている咲夢をちらりと見てから、再度頭を下げ続けて、
『確かに結婚という形をとることで、自由は束縛されるでしょう。でも私もこの年になって漸く、自分の残りの人生をかけてでも護りぬきたいと思える女性に、出会えたことの方が嬉しいのです。』
再度頭を上げて今度は義父の目を見て
『お義父さん、お義父さんは咲夢さんの実のお母さんがいなくなってしまってから、当時母さんが働いていた喫茶店で、長い時間物思いに耽っていることがあったとか・・・それをみかねて、当時の母さんが声をかけたのが、馴れ初めと聞きました。』
そこまで行ったところで母が、
<将、なんであんたがその話知ってる・・・あっ、〇〇ね、〇〇から聞いたんでしょ。>
と口を挟む。将はその言葉を無視し続けて、
『母さんがどんな気持ちで、当時のお義父さんに声をかけたのかは知りませんし、知りたいとも思いません。
でも側聞するに、母さんは消沈しているお義父さんのことを、純粋に心配していたのでしょう。
その後なぜ再婚という形になっていったのかは、別人格の私には到底分かりませんが、それぞれが育んだ大切な思いがあってのことだと思います。
私にも、咲夢さんに対する強い思いがあります。どうか許して下さいますよう・・・お願いします。』
義父と母は、咲夢と将の言葉を聞き顔を見合わせていたが、
<将君、咲夢まずは頭を上げてくれ。>
頭を上げる将と咲夢、それを見ておもむろに義父が続ける。
<将君、こちらこそ咲夢の事よろしく頼む。>
少し頭を下げる義父と母。
<さあ、今度こそ食べようか。お金は将君持ちで悪いけど、今日はお祝いだな。。皆グラス持って・・・>
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