将さん、まだ少しダメですが気分転換させてください。汗
【本編です。】
山頂にある売店に売っていたソフトクリームを一つママさまが購入すると4人で分け合い(将と啓輔は一口くらい?)食べ山頂を周るとリフトに乗り降りていく。
〈咲夢、天気が良くてよかったよ。〉
「はい、富士山がとても綺麗に見えてよかったです。
折角、父さまとママさまが帰国されているのに天気が悪いの嫌ですもの。
ソフトクリームも濃厚で美味しかったです。」
〈将くんと咲夢、様々だな。〉
「帰国した際、お話した通り籤引きで当てたものですから様々までは…。」
〈いや、しかし2人分は将くん支払いだろ?
それに将くんは咲夢の生活費にも支払っていると涼香が言っていた。〉
「父さま、全てママさまにお任せしているんですか?
ダメですよ、日本ならともかく海外でママさま任せなんて…。」
〈いや…、涼香の貴方は勉強に集中して下さい。の言葉に甘えてしまってな。
だが涼香は凄いぞ、最初こそ言語の壁が有ったがあっと言う間に友人やら知人が増えて会話もカタコトながら…。〉
「父さまったら、娘に惚気て…、お二人が仲良くて咲夢、嬉しいです。」
〈あぁ、咲夢も将くんと仲良くやってるじゃないか。〉
「はい…、父さま、今夜……。」
〈ん?何だい?着いたぞ、怪我しないように降りるんだよ。〉
「はい。」
リフトを降り合流すると今度は咲夢は助手席に父さま、ママさまは後部座席へと。
〈海鮮フライか、今の時期だと何だろうな?〉
〈鯵に穴子、かますも旬ですよ、車海老もかしら、残念ながら伊勢海老は今は禁漁期間よ。〉
「ママさま、お魚の旬までお詳しいんですね、出国前、華丘商店街の鮮魚店に一緒に行きませんか?」
〈華丘の鮮魚店と言えば浜田鮮魚店ね、あの威勢の良い面白い青年が居る。〉
「奏楽さんをご存知でしたか。」
〈えぇ、知ってるも何もご用聞きに来てもらっていたのよ。〉
「そうだったんですね、将さん、面白いご縁ですね。」
車内の談笑は誰が見ても〈若夫婦との家族旅行〉に見える。
【浜田鮮魚店編です。】
〈ビ、ビ、ビエックション!!チクショウ!
誰かオレっちを噂してるか?もしかして咲夢ちゃん?〉
〈おい、奏楽!何アホなこと言ってるんだ!手を動かせ手を!〉
〈マイマイ、うっせーな!どう想像しようがオレっちの勝手だろ!〉
お客さんたちがまた始まったとばかりに女将さんに。
〈お似合いな2人だよね。〉
〈ああ、やってじゃれ合って仲いいわよね。〉
〈はぁー?仲良くねーし!〉
〈オレっちだって同じこと思ってたよ!〉
〈だよな、嫁と言ったら咲夢ちゃんだ!〉
〈だよな、だよ、そうだよな、親父!〉
ガシャーン、二人の頭に煎餅の蓋が投げ落とされる。
〈アンタ、何バカ言ってんのさ!咲夢ちゃんは山神さんの婚約者だろ。〉
〈奏楽、そろそろ現実を見ような?〉
〈マイマイだってあのオッサンがいいんだろ?〉
〈そりゃー、そうだけど…無理ゲー、今度、あの2人が買い物に来たとき2人の雰囲気、空気感を見てみな。〉
〈マイマイちゃん、そろそろ本屋のバイトの時間だろ?〉
〈奏楽の父ちゃん、…今休んでるんですよ。〉
……マイマイは奏楽を怪我させてしまった責任を感じ学園も休みがち宮園書店のバイトは退職する旨を伝えていた。
マイマイはこのまま浜田鮮魚店の看板娘とモデルになってもらおうかと。笑
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