先に行く母親と女の子。父親が来ていないのに気が付き、
<あなた、早くいきますよ。。次はアシカさんだって、この子張り切ってるんだから。>
<パパァ……はやくはやく…>
子供のほうに行きかけ、名残惜しそうに振り向く父親。ねばりつくような視線を咲夢に這わせる。
『あの親子行ってから、海月水槽見に行こう。』
再度呼ばれた父親は、漸く諦めたように母親と娘のもとへ。
親子が館内へ消え、イルカショーの場所にも二人以外の人影が消え、漸く立ち上がる。
『咲夢、悲しいことなんだけど、やはり、あいつみたいなやつは一定数いるって、覚えといて。』
『あの父親だって、今日は家族がいたから引き下がったけど、一人の時だったら実力行使に出てたかもしれない。』
『人を疑うことは、本当はしたくないんだけど、一人の時は十分に注意して。』
そう言いながら、海月水槽を見て
『お土産ちょっと覗いてから、食事行こう。』
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