「そういえば…お前が話していた子持ちの女…どうなった?」
「んっ?あぁ…万事思い通りだ…明日、女の娘にも会うことになってる…まぁ娘がOKすれば…とか言ってるが、決まったようなもんだな…」
「そうか…今度オレにも紹介しろよ…お前がここまで時間をかけたんだ…さぞいい女なんだろうな…」
「ああ…楽しみにしてろよ…」
美奈子の家に行くことになっている前日の夜、次郎は佐竹とクラブにいた。
学生時代からの悪友…今ではスポーツジムの経営をし、真っ当にやってはいるが、若い頃には次郎とムチャをした仲…
「その女…美奈子って言ってたか…その娘も可愛いらしいじゃないか…美奈子だけでなく、その娘も狙ってるんだろ?お前はこの歳になっても変わらないなぁ…」
「お前にはだけは言われたくないな…インストラクターの女を愛人にしてるやつに…」
「お二人て何をお話されてるの?また悪巧みですか?」
「あぁ…ママ…悪巧みなんて人聞きの悪い…今度黒崎が結婚するみたいでな…その話さ…」
「えつ?黒崎さんが結婚?それはおめでとうございます。何かお祝いをしなくちゃ…何がいいですか?」
次郎と佐竹の話してに割り込んできたのは、このクラブのママ…詩乃だ。
詩乃にとって次郎と佐竹は常連客…定期的に店に訪れそれなりの金を落としてくれる。
「そうだな…それじゃあ…カンナちゃんを今晩頼むよ…ちょっと溜まってるからな…」
「結婚するのにですか?黒崎さんったら…わかりました…」
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「今日は、お招き頂いて…えっと…キミが夏芽ちゃんだね…お母さんから話は聞いてるよ…黒崎です…」
朝方までクラブに勤めるカンナとホテルで過ごした次郎だったが、普段、美奈子に見せる「いい人」の顔で美奈子の後ろに隠れるように立つ夏芽に声をかけた。
(ほぉ~実物はなかなかのもんだな…)
制服姿がよく似合い、美奈子より少し小柄ではあるが、可愛らしい…将来はかなりいい女になりそうだと心の中で舌なめずりをする…
美奈子が用意した食事をしながら3人は色々と話をした…夏芽の学校のことなどを…
「美奈子さんが夏芽ちゃんを大事にしているのと同じように…夏芽ちゃんもお母さんのことを大切に思っているんだね…それがよく伝わってくるよ…そんな夏芽ちゃんからお母さんを取るようて申し訳ないが…お母さんと結婚をしたいと思っているんだ…」
次郎は単刀直入に夏芽に美奈子との結婚の話を向けた。
夏芽とて大凡の見当はついていたようで「はい…母をよろしくお願いします…」と答えた。
夏芽が自分を見て、少し引いたことには気づいていた…自分の外見は十分に承知しているなんでこんな男にお母さんが…そう思ったに違いない。
それでも母親が望むなら…と考え答えたのだろう…
母親想いの夏芽の気持ちを利用して…すでに次郎は頭の中でそんなことを考えていた…
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