ありがとうございます。
それでは美奈子編を…
「今日は、お時間を作って頂きありがとうございます…」
待ち合わせのホテルのロビーに姿を現した美奈子を次郎はニコニコと笑顔で迎えた。
「遅くなって申し訳ありません…」
頭を下げた美奈子に自分も今、来たところだからと言い、予約してあるレストランへと向かった。
「突然の誘い…ビックリされたでしょう…実は友人の会社で働く貴女をお見かけして、どうしても1度ゆっくりとお話したいと思い…」
席についた次郎は、食前酒を美奈子に勧めながら照れくさそうに言葉を発した。
仕事でたまたま顔を出した友人の会社…そこでパートの事務員として働く美奈子に次郎は目をつけた。
化粧っ気があまりなく地味で少し疲れた様子ではあったが、整った顔立ちが次郎の好みだった。何より事務服の下に隠れた身体つきは、次郎の興味を引いたのだ。
友人に色々と美奈子の事を聞いてみると、旦那を亡くし女手一つで娘を育てていると言う…仕事も事務員の他に深夜のアルバイトも掛け持ちしていて、生活は楽ではないらしいと…
友人の話は事実のようで、それなりに身なりを整えてはいるが、身につけている服は一昔前に流行ったもので、中途半端に伸びた髪を1つに纏めているがツヤもなく、娘を育てるために自分のことは後回し…決して楽な暮らしはしていないようだ。
食事をしながら次郎は自分ことや仕事のことなどを自己紹介がてら美奈子に話した。
仕事が忙しく縁もなく独身であることに加え、その仕事は至極順調であること強調した。
美奈子が会社の社長である友人の紹介て断りきれず次郎の誘いを受けたのだろうが、少なからず美奈子に打算的な考えがあるのは、仕事の順調さを聞く様子から伺えた。
と言ってもその事を責めるつもりはない…むしろしにとっては好都合といえた。
次郎自身わかっていることだが、決して女に好かれる容姿ではない…どちらかと言えば毛嫌いされるタイプ…自慢できることがあるとしたら、ある程度の自由になる金と絶倫と呼べる精力くらいだからだ。
美奈子ほどの女を金で買えるのだとしたらラッキー以外なにものでもない…
「今日はとても楽しい時間でした…もしよければこれからも時々、時間を作ってください…聞けば仕事もいくつか抱えておられるようで…その息抜きにでも…それと…これは娘さんに…さっきのデザートを土産に…」
次郎は本性を隠し「いい人」を演じた…
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