「うん…。」
慣れない拓海との本気の喧嘩と、降り始めた雨によって身体と心は冷え、あれだけ憎かった次郎の言葉もすんなり耳に入る。
肩を抱かれるようにされながら、家の中に入り、そのままの足で脱衣所へ向かう。
「いいよ、自分で…。大丈夫だってば…。」
次郎が夏芽の服を脱がせ始めるが、口で少し拒絶するくらいで、特に抵抗する様子もない。
まず夏芽が裸になり、そのまま次郎も服を脱ぎ始める。
(なんだ、お義父さんも入るんだ…。まあ、1人になりたくないし、もうなんでもいいや…。)
初恋から10年以上想い続けた拓海との決別。
拓海のために色々と守ろうとしていたが、もはやそれも必要ない。
夏芽にとって、今は全てがどうでも良かった。
軽くシャワーで身体の埃などを落とし、2人で湯船に浸かる。
(暖かい…。このまま眠って、全部忘れちゃいたいな…。忘れられないだろうけど…)
「…拓海が、私の…。私の動画…を見てたの…。私が酷い目にあって、苦しんで…、それを見て興奮してた…。なんのために、私が…、ぐすっ…。うぅっ、うぅ…っ。公園で助けてくれればっ…。それでなくても、動画がネットに出てるって、素直に教えてくれれば…っ、本当に最悪…っ」
忘れてしまいたいことを口にすると、途端に涙が溢れ落ち、湯船に波紋を広げる。
次郎に後ろから抱きしめられたまま、怒りや悲しみを言葉にした。
よく考えれば、その原因となった男のはずだが、夏芽としては居場所さえあれば、もうなんでも良かった。
「…忘れさせてくれるの?…優しくしないでいいよ…、乱暴にされた方が興奮するから…。」
優しく柔らかな手つきで胸を揉み、首筋に舌を這わせる次郎。
次郎にしては、らしくない行動に少しだけ笑い、誘うような言葉を口にした。
(ここにいれば、気持ちよくなれるし…、お母さんもいる…。拓海のことを覚えているから辛いけど…、忘れることができたら、きっと幸せなんだ…)
そのまま目を閉じ、次郎の愛撫に集中する。
そして、先ほどからお尻に当たっている硬くなったペニスを自ら握った。
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