「大丈夫っ!うちは完全会員制だから会員さんの身元はしっかりとしてるし…もし万が一何かあっても私が必ず夏芽ちゃんを守るから…」
実際のところ、身元うんぬんより高い会費さえ支払えば誰でも会員にはなれる…身元の保証などない。
とはいえプレイルームの様子は録画されていて何かあった時の保険の代わりにはなっている…美紀の言葉はあながちデタラメでもないが、夏芽を安心させるために嘘をつく美紀…
水泳教室のインストラクターも辞めてプレイルーム専属になるという話に一瞬困惑した表情を浮かべた夏芽だったが、美紀の言葉に、その返答は予想通りだった。
拓海との将来のために仕方なく…という体をとった夏芽の心のうちを美紀は見抜いていた。
ほんのり頬を染め、心なしか上気した様子かは昨日の吉岡とのプレイを思い出しているようにも見える。
(うふふっ…こんな可愛い顔して…夏芽ちゃんったらホントに…)
「それじゃ今日から早速専属になってもらうわね…朝の10時から1回目…昼休みのあとに1回…また休憩を挟んでもう1回…1日に3回プレイルームで頑張ってもらうから…実はね…昨日のプレイルームのことで会員さんから何件も問い合わせが来てるの…あと…吉岡様から聞いたという会員さんからも…きっと昨日以上に高値がつくわよ…」
何時になく上機嫌の美紀…プレイルーム専属の話をとう切り出そうかと考えていたところに夏芽からのクレープ屋の話は、美紀には好都合でしかなかった。
美紀と別れたあと、夏芽は更衣室で制服に着替えた…JKブランドを活かすためのものに…
9時45分…最初の競りがはじまった…美紀の言った通り昨日よりその参加人数は明らかに多く、競りの金額もあっという間に昨日の40万に達する盛況ぶり…結局プレイルームの権利を競り落としたのは、少し頭のハゲかかった中年の男だった。
「さっきの会員さんは痴漢プレイがご希望みたいだから…夏芽ちゃんは通学途中の女子高生役ね…電車で痴漢をされたあと、ホテルに連れ込まれ…そんな感じかな…じゃあ頑張って…」
競りのあと、美紀は事務室で待機していた夏芽に耳打ちをした。
「3番のプレイルームに簡易的だけど…吊り革とか電車みたいな準備してあるから…」
夏芽が美紀に指定された3番のプレイルームへ入ってみると吊り革が2つ用意されており、ご丁寧にも車内アナウンスと電車の走る音がスニーカーから流れていた…
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