「うんっ!拓海も無理しないでね、私がしばらく稼ぐから、焦らないで…っ!」
駅につき、二人は別れる。
拓海の姿が見えなくなると、どうしても昨夜のことを思い出してしまう。
(はあ…、拓海とのSEX、なんでイけないんだろ…。あったかくて、優しくて、かっこよくて、大好きなのに…。)
拓海のことが大好き、愛してる。
それは間違いないけれど、拓海とのセックスら心が満たされるだけで身体は満たされず、昨日はイくことさえできなかった。
気を抜いたら感じていないことを悟られると思い、イったふりまでし、拓海が寝たのを確認してから、自分で慰めて発散させたほど。
何度もため息をつきながら、職場のジムに向かった。
「はい、私クレープが大好きで、拓海とよく一緒に食べてたんです。…拓海はいつも、私を大切にしてくれて…、私には勿体無いくらい…。」
ジムに着き、美紀にすぐ相談する夏芽。
尊敬する身近な年上は美紀だけで、彼女が裏で何を企んでいるかも知らず、無垢な瞳で相談を続ける。
「その、だから私も恩返ししたいんです。拓海は、自分の人生を捨てても、私の手を掴んでくれました…。私も拓海のために、頑張りたいんです。プレイルームって、稼げるんですよね…?」
(なんか嘘をついてるみたいだけど…、でも拓海のためにって気持ちは本当だし…。お義父さんや三宅は大っ嫌いだけど、でも…)
嫌いな相手、もっと言えば好きでもない相手とのセックスは夏芽の身体を悦ばせる。
年相応の幼い顔立ちからは想像もつかないほど、快楽の虜になってしまっていた。
「…え?プレイルーム専属って…。それって…」
(それって、風俗とかと同じじゃ…?)
ジムのインストラクターですらなく、プレイルーム専属。
それはもはや、風俗嬢と同じであり、普段なら断ったはず。
しかし、昨日の拓海とのセックスで思い知ってしまっている。
ゴムを外させてまで快楽を求めたのに、悶々としたまま終わるセックスなんか嫌だ。
「…怖いことあったら、美紀さん助けてくださいね…?」
(これって拓海と二人で生きていくためのお仕事だし、浮気じゃないよね…。)
少し悩んだふりをして専属になることを承諾してしまう。
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