(最悪…、私って本当にバカなの…!?仕事だからって割り切ってたけど、完全に途中から…)
プレイルームの清掃しながら激しい自己嫌悪に襲われる。
指輪をはめられるまでは拓海のことを覚えていたし、仕事だと割り切っていた。
しかし、ジーンズに手を突っ込まれ、焦らされたあたりから、頭の中が快楽に支配されてしまった。
(こんなんじゃ、まるであの女の人みたいじゃない…)
次郎が『美奈子』だと言って見せつけてきた寝室で乱れに喘いでいた女を思い出す。
変態で不潔だと軽蔑していたが、もはや今の自分と変わりはない。
自身の体液が撒き散ったシーツを取り替えながら、何度も溜息を吐いた。
「おっ、お疲れ様でしたっ!!また明日…っ!」
吉岡が褒めていたのか、上機嫌で美紀が寄ってきたが、嫌がってたくせに乱れたことが恥ずかしく、逃げるように退勤した。
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「た、ただいま…。」
重い足取りで自宅に戻ると、笑顔で出迎える拓海。
その笑顔を見ると、胸がチクリと痛み、引き攣った笑顔で応えたが、拓海からすれば疲れているように見えたかもしれない。
自分は拓海のような男性に相応しくないのかもしれない、そんなことすら考えていたが、用意されていた不恰好な料理にクスッと笑ってしまう。
それからはネガティブな考えは消え、楽しい食事に変わった。
「いいっ!すっごくいいねっ!チョコバナナクレープとかいちごのクレープもいいなあ。美人で可愛い看板娘もいるし、大繁盛間違いなしだもんね」
調子に乗って笑ってみせ、二人でクスクス笑ってじゃれあった。
(でも、本当にそんなことできたら幸せだな…。お金、頑張って稼がないと…。それにしても、拓海にはゴムつけて、吉岡さんには生でって…。普通おかしいよね…)
お金を稼ぐことを決意したが、再び今日のことを思い出す。
彼氏以外の相手と生でしたのであれば、彼氏にもヤらせてあげたい、そんな歪んだ発想に至り…。
「あの、お風呂入りたい…。」
「ああ、疲れてると思って沸かしてあるよ。先にゆっくり入りなよ」
「そうじゃなくてっ!お風呂入りたいの、二人で…」
少し顔を赤らめながら、そっと拓海の手を握り、ジッと瞳を見つめた。
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