「20…まん…、えっ、えーッ!!20万っ!?!?」
妄想してドキドキしながら競りが終わるのを待ち、落札値を聞く。
最初値段を聞いて、実感が湧かなかったが、お小遣いだったり、自分の基本給だったりを思い浮かべて、やっと驚愕する。
美紀も喜んでいるのか、かなり上機嫌であり、夏芽の頭を撫でながら、落札者からのオーダーを告げる。
(激しくされちゃうのかもってドキドキしてたけど、金額が20万となれば、正直怖い…。けど、吉岡さんなら怖いことにはならなそうだな…。)
夏芽の理解を超えた金額を出されたことによって、何されても文句言えない状態で色々なことをされるかも、ということが頭をよぎったが、相手の名前を聞いて心配は消えた。
顔馴染みでもあり、普段も優しい吉岡が相手であり、不慣れな初プレイでもなんとかなるかもしれない。
「新婚プレイかあ…。家出してから色々あって、拓海とすらちゃんとイチャイチャできてないのに…。ちょっと嫌だけど、20万も出されたら…、はあ…。」
制服から白の縦セーター、ジーンズに着替えて、鏡に向き合う。
さっきまで制服だったせいか、ほんの少し大人びて見えた。
初めての恋人ができたばかりでその相手とすらゆっくりできていないのに、初老の男性と新婚プレイをすることになり、少し気が重かった。
(なんか料理置いてある…、ベッドもあるしなあ…。……ダメダメっ、20万円も出してもらってるのに、乗り気じゃなかったら返金とか要求されるかも…っ、今日だけって決めたんだし、精一杯頑張らないと…っ!)
地下のプレイルームで座り、拓海への想いや買われた金額、責任感などで色々と葛藤しながら、吉岡を待っていた。
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