「あうぅ…、その、考えておきます…」
金銭面を考えると特別手当の存在は確実に有難い。色々切り詰めたとしても、やはり苦しい家計になるのは確実だった。
それでも贅沢は言えない、そう思っていたが…
(はあ…、美紀さんに命令って言われたほうが楽だったな…。これで休憩室での作業もしたい、なんて言ったら完全に私の意思だし…)
何度もため息をつきながら、プールサイドにモップをかけていく。
しばらく満足な性体験ができていない欲求不満な身としては、正直奉仕したい。
しかし、夏芽の意思となれば、明確に拓海を裏切ることになる。
会社の命令だったら『仕方ないこと』だが、美紀に逃げ道を用意されたおかげで、逆に逃げ道を失ってしまった。
「……ん?そういえば、いつまでこの服なんだろう。水着着なくていいのかな…?プール教室なのに…」
そもそも格好がセーラー服で、水着すら着ていなかったことに気がついた。
美紀に聞こうにも用具を取りに外しており、ここには夏芽一人。
(まあ、いいか。なんにしてもクビになったりしないようにお仕事はお仕事として頑張らないと…っ!)
美紀の考えはよくわからなかったが、モップ掛けをしながら密かに気合いを入れるのだった。
(あ…っ、厭らしい目で見られてる…。何かを期待してるような、おじさん達のエッチな目つき…。私、獣に囲まれた獲物みたい…)
そんな夏芽だったが、会員達が入ってきた瞬間、気合いは崩れ去ってしまった。
胸や下腹部、太ももに集まる隠す気もない卑猥な視線を浴び、徐々に興奮を覚えていった。
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