「うん…契約だからね…でも実際のとこ、夏芽ちゃんが基本給だけを貰ったとしても生活は大変なんじゃない?拓海クンがどこかで仕事を探せれば2人分だから、やっていけると思うけど…」
美紀の言ったことは、夏芽自身も思っていたことだった。
職員として正式に雇ってもらい給料を貰えらるが、それ相応の額面…夏芽ひとりの給料で格安にして貰ったとはいえ、家賃を天引きされ、光熱費、食費等々の出費を考えると決して楽に暮らせるものではない。
駆け落ち先の港街でも働き口を見つけることができなかったように、拓海が簡単に就職できる保証はない…むしろ難しいだろう…
当面は夏芽の給料だけが頼りになるわけで、特別手当が支給されるのは、現実的にも有り難いことだ。
「でも、どうするかは夏芽ちゃんが決めればいいから…契約だからって無理強いはしないわ…」
美紀は、そう言い残し立ち去った。
(うふふっ…あの子はきっとやるわね…前のジムでも結構、露出を楽しんでいたし…それに黒崎さんの調教を受けた子が同級生で満足できるはずないもの…きっと欲求不満になって自分から進んではじめるわ…きっと…)
プールサイドに残った夏芽は、準備をはじめた…そのへんは前のジムでの経験もあり何の問題もない。
問題があるとしたら夏芽の格好だった。
美紀からは、プール教室担当するよう言われたが、水着を充てがわれてはいない…夏芽には今、身につけているセーラー服が制服として与えられただけ…つまり、このままの格好でプール教室を担当しろと言うことなのだ…
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