「えっ?今…なんて…」
住むところも確保できた安心感から、ごく自然の流れでキスを交わした。
この2日間、何もなかった2人…濃厚なキスから、そのまま…と思った時、耳を疑うような夏芽の言葉にギョッとする。
その時かかってきた電話のせいで、夏芽が発した言葉の真意を確かめることもできなかった。
「う、うん…そうだな…買い物行こうか…」
あの動画で見た義父からの調教…三宅からの脅しによる凌辱…そのせいで夏芽は歪んだ意識を植え付けられたのかもしれない…
思い返せば2人のファーストキスも夏芽から舌を差し入れてきた…
もっと早く覚悟を決めていれば…
拓海はそれを悔いると同時に自分が夏芽を本当の夏芽に…と心に誓った。
………
「こんなに買い込んじゃったけど…夏芽って…料理できたっけ?」
そんな拓海の突っ込みに頬を膨らませる仕草は昔と変わらない…
「冗談だよ…冗談…(笑)俺も手伝うからさ…」
新しい門出を祝うための夕飯作り…「肉はもっと焼いたほうが…」「野菜の切り方…これでいい?」「この味つけ…どう?」
まるで幼いころのままごとのようだったが、2人はこの瞬間、本当に幸せだった…
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