レストランでの食事を終えたあと、2人は港の突堤の先まで歩いた。
波が突堤に当たる音しかせず、目のまえには怖いくらい真っ黒な海が広がっていた。
空を見上げると拓海たちが暮らしていた街では見られない星空があった。
2人の会話は尽きることがない…あの事件以来失った2人の時間を取り戻そうとするかのように…
この街での最後の夜…奮発してシティホテルでもと思ったが、先のことを考えてラブホテルに泊まった。
美紀との話がまとまるまで歩き回った疲れに加えて久しぶりに2人で遊び回ったことで、早めにベッドへと潜りこんだ。
夏芽との3日めの夜…この2日間2人の間には何もない…拓海が求めれば夏芽は拒まず応じただろうが、義父からの調教、三宅からの凌辱…「妊娠してないだけ奇跡的…」と夏芽自身が言うほど酷い目にあったことを考えると無理強いはしたくはない。
2人が本当の意味で結ばれる時は自然な形で…と思う…
夏芽は背を向けたまま…拓海は何も言わずに目を閉じた。
今日の楽しかった場面を思い出しているうち眠りに落ちていた。
次の朝、この街に来た時と同じように始発に飛び乗り自分たちの街へと向かった…
ひとつ訂正をおねがいします。
持ちビルの上の階に空き部屋が…としましたが、佐竹が別に所有している貸し物件があって、それを借りることにしましょう。ジムと同じビルに部屋があると夏芽がジムでしていることを拓海が知ってしまうので…
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