「あ、おはようっ。先に目が覚めたし、コンビニでご飯買ってきたよ。」
拓海より先に目が覚めた夏芽は身嗜みを整え、コンビニでパンなどを買ってきておいた。
疲れもあってぐっすりと眠り、朝早くに自然と起きた。
「もうっ、寝癖ついてるぞっ!早く起きろーっ!あははっ!」
ベッドの上で未だ眠そうにしている拓海に飛びかかり、ぐしゃぐしゃっと髪を触る。
昨晩、身体を求められることを覚悟していたが、何もされなかったことで拓海に対する信頼が一段と上がっており、スキンシップも激しくなっていた。
胸や太ももを拓海の身体に押し付けてじゃれるが、朝の寝起きということもあり、布団の中で硬くなっている拓海のものに気がつき…、
「あ…っ、えっ、えっと、じゃあ、ご飯食べて準備したら早速チェックアウトしようか…」
ボッと顔が赤くなり、わたわたとベッドを降りて椅子に腰掛ける。
食事を摂り、希望を持って意気揚々とホテルを出たものの、やはり不動産会社はまともに取り合ってくれず、住み込みのバイトをやっていそうなお店などに飛び込んでみるも、成果はなかった。
(そりゃそうか…、未成年でお金なくて、保証人もつけられないんだからなあ…。)
「やっぱりそう簡単にいかないよね…、拓海は本屋とかで求人雑誌でも見てきて。もしかしたら住み込みの求人とかあるかもだし…、私は美紀さんに電話してみる。」
夕暮れ時になり、途方に暮れて公園のベッドで一休みする二人。今日もラブホテル泊まりになりそうだった。
今日の宿泊は大丈夫だが、これが続いていればいずれ資金が底をつく。
二人は少しずつ焦りを覚えていった
電話をかけるためスマホを取り出してみると、次郎と美奈子から数十回ほど電話がかかってきていた。
(お母さん心配してるのかな…、お義父さんはそうじゃないだろうけど…。)
掛け直すことは当然せず、美紀に電話をかけると、数回の発信音の後、美紀に繋がった。
「あっ、美紀さんっ、あの、まずはごめんなさい…、急にバイト辞めなくちゃいけなくなったんです…。」
美紀に簡単に町にいられなくなった事情を伝え、住むところや働く場所に困っていることを伝えた。
【いえ、ご提案ありがとうございます!】
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