「ちょっとっ、痛いってば…っ!別にさっき会ったばっかりで何も話してないし…。」
腕を掴まれ無理やり三宅に連れていかれる。
呆然と背中を見つめる拓海を振り返ることなく、三宅と共に拓海の視界から消えていった。
「やめてよ、拓海は関係ないでしょ…っ!分かった、行くからもうやめて…」
拓海のことなどもうどうでもいいと思っていたが、いざ三宅にアナルセックスのことをバラされそうになれば、妙に嫌な気分になって何度も首を振って嫌がった。
(また家に…、行きたくないけど従うしかないし…)
気分が良さそうな三宅とは対照的に気分が沈みきって俯きながら登校した。
「ねー、なんで三宅なんかと付き合ってるの?」
「え、えー…、っと、その、なんでだっけ…」
(朝からこればっか…、私から告ったことになってるけど、ハッキリ否定したら動画のことバラされるし、かと言ってアイツの好きなところなんかないし…、どうしたらいいの…)
投稿してからはクラスメイトや他クラスの友人まで教室に来ては三宅との交際について根掘り葉掘り聞かれるが、夏芽は困ったように否定も肯定もしないように捌いていた。
とはいえ、夏芽が否定しないし、三宅が馴れ馴れしく話しかけるのもあって、噂は真実だと浸透していく。
「……なに?」
ふと振り返ると斜め後ろの拓海がこっちを見つめていて目があった。
三宅との噂を聞かれ続け、イライラしていた夏芽は少し棘がある感じで睨みつけ、
「いや、別に…」機嫌の悪さに感づいた拓海が目を逸らし、結局学校でも2人が話すことはなかった。
【すみません、遅くなりました。
はい、よろしくお願いしますね】
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